1日に水俣病犠牲者の追悼慰霊式のあとの伊藤信太郎環境相との懇談の場で、患者団体メンバーの発言の途中でマイクを切った問題について、環境大臣政務官の国定勇人衆院議員は「犯してはならないだ大失態」と重く受け止めている認識を示した。
12日、マルト長谷川工作所のショールーム・ショップ「マルトパドック」で開かれた山本左近衆院議員、マルト長谷川工作所の長谷川直哉社長とのトークセッションの冒頭で、この問題に言及した。
新潟水俣病は、水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病とともに四大公害病のひとつ。国定氏は「この新潟県では決して看過できない状況」、「本当に申し訳ございませんでした」と頭を下げてわびた。
環境省は、四大公害病をどうやって解決をしていくのかから当時の環境庁が発足した経緯を話し、「いわば水俣病は環境庁にとって守らなければいけない原点中の原点」。重ねて「多くの患者を傷つけてきたばかりか、長年にわたりさまざまな葛藤を経て理解を少しずつ進めてきた大切な大切な信頼関係を、あのわずか1日ですべて失ってしまった」とことの重大さを強調した。
今月31日、新潟県主催の新潟水俣病の式典が開催され、国定氏も出席するる。国定氏は式典に出席するだけでなく、「新潟水俣病の患者団体の皆さまからしっかりと意見をちょうだいする場を設けたい」とし、「大臣からの思いをしっかりと受けとめて31日は臨みたい」と述べた。
しかし、それが解決のすべてだとは思っていない。「すべての始まりの再スタートの第一歩にしか過ぎない」が、「環境省を挙げて深く認識をしながらこれから先、信頼回復のために一歩一歩、進めていきたい」。
それでも「水系は異なるこの地域だが、引き続き皆さまに理解くださいと申し上げるつもりは毛頭ない。環境省これから進めていく姿をしっかりと監視をし、その歩み、偽りがある事態が生じたら遠慮なく私どもに叱咤(しった)いただきたい」とし、「まずはその姿それを見届けていただければ」と環境省への厳しい目を求めた。