14日、15日の2日間は、新潟県三条市・八幡宮の春季大祭「三条祭り」。八幡宮のおひざ元にゆかりの有志でつくる敬神会(池田健治会長)は、宵宮の14日、ことしも祭りに向けて磨き直した八幡宮拝殿の鈴の鈴緒を編んで再び拝殿に下げた。
毎年5月1日に拝殿に下がっている鈴を外し、会員が持ち回りで2週間かけて磨きあげる。宵宮の14日に毎年、新しい鈴緒を編んで鈴と一緒に奉納する。敬神会はそのためだけに存在する。いつ始まったのか分からないが、真ちゅう製の大きな鈴には「昭和47年5月吉日」と刻む。
新型ウイルスの感染拡大中は感染防止のため、奉納して拝殿に鈴と鈴緒をいったん下げてからすぐに取り外したが、昨年から付けたままにしている。
この1年で1人が亡くなり、ことしは5人が作業に参加した。作業場所はいつもの通り八幡町に住む会長の池田健治さん(84)の家の前。鈴磨きも池田さんの担当だった。
ブルーシートを敷いた上で、荒縄を束ねてそれぞれ黒、赤、白の布で包んだ3本、作る。さらにそれをねじり上げて1本の鈴緒。先端を覆う房を寄付してくれた人が高齢で房を作れなくなり、ことしは作り置きの房を使った。
うまくいかずに途中でやり直すこともしばしばだが、ことしは失敗なくスムーズに作業が進み、1時間半足らずで完成した。「ことしは史上最速」、「見た目もきれいに仕上がった」と自画自賛する大満足の出来栄えだった。
完成した鈴緒は、かごを担ぐように鈴を下げた棒の前後を肩に載せて拝殿へ運び、神前に供えて清払いのあと、はしごに登って拝殿の屋根の下に取り付けた。ぴかぴかに光る鈴を見上げて「ことしの三条祭りは最高になるよ」と上機嫌だった。