戸隠神社の春祭りで特徴的なのが万灯。若連中が台車の中央に灯ろうを載せて造花で飾った万灯を引き、木遣(きやり)音頭と伊勢音頭を歌う。木場小路万灯組では「お玉」、上横町万灯保存会では「踊り子」と呼ぶそれぞれ12人の女の子が伊勢音頭に合わせて踊る。
18日夕方から19日にかけて門付けに回り、通りで踊る下座(げざ)を披露。踊り浴衣に化粧をして踊る愛らしい小学生の女の子の姿が人気を集める。新型ウイルスの感染拡大中は休んだり規模を縮小したりしたが、昨年から元通りの形で行っている。
木場小路万灯組の全体練習は12日から17日まで。戸隠神社拝殿裏手の「宿」と呼ぶ集会所で行っている。本来、お玉は小学生12人で編成するが、ことしは人数が足りなかったため、中学生も入った。
若連中も人数が減ってきたこともあり、ことしは一気に17人増やして約90人に増強した。総代はことしで7年目の清水守之さん(37)。「元通りになった昨年はかなり反響があった。ことしはそれ以上の万灯ができるように若連中を増やして取り組んできたので、かなりいいものになると思う」と自信を示した。
横町万灯保存会は13日から17日まで旧第一生命ビル1階の駐車場で全体練習している。全体で約200人にのぼる大所帯。総代は毎年、交代し、ことしは万灯にかかわって25年ほどになる玉橋洋平さん(47)が務める。
玉橋さんは「万灯を通常通り開催できる喜びと感謝の気持ちをもって頑張りたい。楽しいな、いいなと思ってもらえるような万灯にしたい」と意気込む。12日は横町万灯保存会の役員が木場小路万灯組の練習を見学したが、13日は木場小路万灯組が横町万灯保存会の練習に訪れ、乾杯して酒を酌み交わした。
上横町神楽組は、獅子舞の門付けやパフォーマンスを披露する。練習は16日を除く13日から17日までの4日間。メンバーは新人1人が増えて14人。3匹の獅子が市中を払い清める。
これまで祭り前の練習以外は不定期で思い出したときには行うていどだったが、昨年の春祭り以降は毎月1回の練習を続けてきた。「みんなが月一でやろうっていうから」と会長の関口修司さん(72)はにっこりだ。
練習の成果から「去年とはまた違った獅子舞になると思う。それぞれの獅子の個性やメリハリを見せたい」と欲も出る。メンバーはいつも募集中。今は獅子頭を持って舞うのは男性だけだが、「将来的には女性の獅子舞もいいのでは」と話している。