プロ野球・東京ヤクルトスワローズと連携交流事業を続ける新潟県燕市は17日、燕市立燕西小学校(坂内克明校長)でスワローズ元監督、真中満さん(53)が6年生105人を対象に「夢ってなんだ?」をテーマに講演した。
翌18日に燕市で行う田植えイベントやトークショーに真中さんが参加するのを前に講演を設定したもので、講演のようすを配信して吉田北小学校5、6年生もオンラインで参加した。
真中さんは、栃木県の旧宇都宮学園高校で2度、甲子園に出場。1997年にスワローズに入団し、中堅手として活躍し、3割を超える打率を記録したシーズンもある。2013年で引退し、14年から17年までスワローズ監督に就任している。
講演で真中さんはスーツで登場。「決して怖くない野球をしていた、ただのおじさんです」と和ませて始め、10歳からの野球人生を振り返って夢、達成感、挫折などを語った。
「無理に夢をつくらずに今できることを頑張って」、「最初に決めた夢に最後まで向かう必要ない。それは挫折ではなく変化」、「夢を達成できなくてもその努力は無駄ではなく報われるので、どんどん挑戦してほしい」、「失敗した時こそどれだけカバーができるかがみんなの能力」。真中さんは固定観念を捨てて失敗を恐れないチャレンジ精神を児童に求めた。
世話になったスワローズ元監督の野村克也さんの言葉「努力に即効性はない」を紹介して、児童にも「すぐに結果を求めずに少しずつ努力してください」と成果を急がないよう話した。
自分の思いをいろん人に話し、発信することで、いろんなことが自分に舞い込んでくる。夢をもっている人はそのまま努力し、夢が変わったらまたその夢に向かい、夢がない人は今を精一杯、あわてずに頑張ってとアドバイスした。
目標設定は1週間単位、1カ月単位と短期で達成できるものを設定するよう勧め、感謝、謙虚、笑顔の3つの言葉を児童に贈った。
児童からは次々と質問の手が上がり、「どうしたら野球が上手になるのか」の質問に真中さんは「頑張って毎日少しずつ努力すること」。「野球をやる気にさせたのは何だったのか」には、「とにかく金を稼いで父ちゃん母ちゃんに楽させようと思った」、さらには「チームが優勝しても自分が頑張らないと給料が上がらず、くびになることもある」と飾らず率直に話した。
最後に「おとなになたら絶対、楽しい。ここにいる先生も子どもの時はいっぱい勉強したんだから」と、今の努力は将来、必ず報われると、児童にエールを送った。児童は真中さんにサインや握手を求めていた。
18日の田植えは午前10時半から燕市役所南側の田んぼ「スワローズライブファーム」で行う。午後1時から燕市役所で行うステージイベントと真中さんのトークショーには、スワローズマスコットキャラクター「つぼみ」とスワローズダンスチームの「Passion」のメンバー2人も参加する。