18日(土)に宵宮祭、19日(日)に大祭が行われる新潟県燕市・戸隠神社(星野和彦宮司)の春季大祭に合わせて、ことしも木場小路万灯組(清水守之総代)と横町万灯保存会(玉橋洋平総代)の2つの万灯と上横町神楽組(関口修司会長)の獅子神楽が氏子町内へ繰り出して燕の春を華やかに彩る。
万灯は台車の中央に灯ろうを載せ、てっぺんから色紙を折って作った花で飾ったタケ数十本を傘のように垂らしたもの。万灯の上で若連中が太鼓や笛で祭りばやしを奏で、「ひょっとこ」と呼ぶ男の子が扇子を広げて踊る。
木場小路は「お玉」、横町は「踊り子」と呼ぶそれぞれ12人の小学生の女の子が「伊勢音頭」を踊って門付けに回るほか、それぞれ街頭踊りも披露する。
戸隠神社では18日午後7時から宵宮祭、19日午後1時から大祭の神事を行う。19日の午後1時半からみこしが氏子町内を渡御し、4時には戸隠神社に戻る。
19日午後8時から木場小路万灯組、8時半から横町万灯保存会の舞い込みのあと、みこしの還御祭を行って終わる。2つの万灯の街頭踊りの日程とことしの春季祭礼に向けた星野宮司の所感は次の通り。
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感染症も落ち着き、燕地区唯一の神賑わい行事が行われる戸隠神社の春のお祭りが近づいてきた。天候に恵まれ多くの人出を期待している。
関係者は、本番当日に向けて、年明けから連日の会合や稽古を続けてきている。この努力に対しては、大変な敬意を表している。
感染症前から危惧されていたことではあるが、燕市内10町内で構成される戸隠神社の祭禮行事は、再考し大幅な改変をしなければならない。
かつては燕や西蒲原の中心市街地として、従業員や職人を抱え工場や店舗が軒を連ね、アーケードの元では買い物を楽しむ市民であふれかえっていた華やかな時代もあった。
住宅や工場の郊外への移転と急激な少子高齢化の波は全国的とはいえ、かつての中心市街地であった氏子町内に買い物難民対策として「とくし丸」がくる地域に変貌してしまった現在、過去の賑やかな祭禮行事を氏子町内に望むのは無理である。
そもそも戸隠神社の祭禮行事は、氏子町内ごとに「奴町内」「天狗町内」という役割があり、そこに他町内や神社が関わることが出来ない習わしである。
町内から若手がいなくなり、住民の多くが高齢者である。またいつの間にか町内所有の祭器具も散逸してしまった現在、氏子町内としての義務だからと祭礼行事への参加を呼び掛けることも出来ない現状である。このことを反省しても始まらない。
幸いにして、万灯町内も厳しい町内事情がある中で、関係者の将来を見越した運営努力により、今日まで父祖の残した伝統行事を守り伝えて来ていただいた。
「歴史伝統は守り伝えるもの。しかし時代と共に移り変わるもの」残すためには何を変えるのか、そこのバランスを考え今後の祭禮行事を見直さなければならない時と考えている。
正念場を迎えた今年の春季祭礼である。