6月1日(土)、2日(日)と新潟県三条市で開かれる三条凧(いか)合戦に向けて主催の三条凧協会(須藤謙一会長)は5月19日、六ノ町河川緑地で新組お披露目と組み合わせ抽選会、技術伝承講習会を開いた。参加した各組の揚げ師は2週間後に迫った本番に向けて気分を盛り上げていた。
新たに参戦するのは、「緑水会」と「さんじょう浪士組」。緑水会は、群馬県前橋市・前橋商工会議所青年部「緑水会」が結成した。看板凧には「緑水会」の文字と赤城颪(あかぎおろし)の空っ風を吹かせる群馬の赤城山(1,828m)を描く。
緑水会は前橋市政施行100周年記念で1992年から毎年、「上州空っ風凧揚げ大会」を開く。昨年、事業委員長だった石川将平副委員長(35)が新たな大会の形を模索し、全国の凧揚げ大会を調べて、白根大凧合戦で知られる新潟市南区の「しろね大凧と歴史の館」と、三条凧協会の須藤会長が営む三条市の「須藤凧屋」を訪問した。
白根大凧合戦は環境的に前橋市での実現は難しかった。三条凧協会副会長の結城靖博さん(40)が昨年度、三条商工会議所青年部会長だったことで距離が縮まった。昨年の三条凧合戦の秋の大会に緑水会の会員が参加。ことし2月の上州空っ風凧揚げ大会には三条凧協会から50人余りが参加した。
石川さんはあいさつで、「三条から50人を超える人が来ると聞き、すごい人たちだな、これが三条の人たちなんだなと。それ以来、三条の凧揚げのとりこになった」と話していた。
また、三条凧合戦の魅力について「やってる人間が本当に面白いというのが印象。自分で揚げてみるとおもしろさがわかる。あんな大きな凧を揚げられるのは、この年でもうれしい」と言う。
三条凧合戦には2日間で15人ほどで参戦する。「みんな一生懸命、練習して、いっぱい凧を壊して修理しての繰り返し」。「私の目標は前橋のいろんな人にたこ揚げを楽しんでほしい」、「できるだけいっぱいからませていっぱい勝ちたい」と合戦を心待ちにしていた。
「さんじょう浪士組」は、三条マルシェの実行委員会のメンバー有志やその仲間10人で結成した。三条凧合戦で三条マルシェを運営するなかで、見ていたらやりたくなった。昨年は一般参加できる「龍王組」に参加している。
組の名前は新選組にちなんだが、寄せ集めでの前身ともいえる「壬生浪士(みぶろうし)」にちなんだ。はっぴのデザインも新撰組のそれを借りた。力をつけたら名前も「新選組」に出世するかもしれない。看板凧の絵柄は紫式部。
代表の鈴木千博さん(42)は、「出店だけじゃなく、ことしは皆さんの合戦に挑みたいと思って組をつくった。合戦の方も盛り上げていけたらいい」とあいさつした。また、「当日も一生懸命やって1点でも取りたい」と意気込んでいた。
ことしの三条凧合戦の内容について報告があった。ことしは新たに2組が加わって参加は念願の30組と大台に乗る。2日目の2日はイベントが盛りだくさん。午前10時からきらきら保育園の和太鼓演奏、10時20分から一ノ木戸小学校の「三条凧ばやし」の演奏と踊り、10時40分から三小相承会の和太鼓演奏を行う。
11時から三条市舞台にしたアニメ「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」のメーンキャスト6人の声優による凧揚げイベント。昨年は2人が参加したが、ことしは6人全員がそろう。
さらに11時50分から三条凧協会が震災からの復興を願って凧揚げに出向いている福島県と石川県能登町の復興祈願の凧揚げを行い、能登町からは高校生の参加も調整している。また、1日は会場でいかマルシェでキッチンカー15台ほどやって来て、2日は三条マルシェとの合同イベントとなり、約40店舗が出店する。
組み合わせ抽選会では、抽選で紅白15組ずつに組分けを決めた。揚げ師宣誓は三条小町会に決まった。その後、技術伝承講習会を開き、ベテラン揚げ師が各組の揚げ師を指導した。抽選で決まった紅白組み分け表は次の通り。