新潟県燕市分水地区の分水ロータリークラブ(町田建尚会長・32人)は21日、創立50周年記念でメンバーが制作した木彫のフェニックス(不死鳥)像「つばめの魂、幾度も甦る」を燕市に寄付した。
燕市の洋食器産業は昭和のドルショックやオイルショックと致命的な痛手を追いながら不死鳥のごとくよみがえった姿を地元では不死鳥、フェニックスとなぞらえらることが多い。
そうした苦難に屈せずよみがえった燕の象徴として、社寺彫刻を手がける沖野彫刻(燕市新堀)の沖野兼一さん(54)が制作した。
全長は約1.5メートル、高さ約90センチ。大きく翼を広げた躍動感あるフェニックスの姿をケヤキで彫り、目玉には金ぱくを張った。
手塚治虫の作品『火の鳥』を思わせるような造形になったのは、沖野さんのイメージにもそれがあったから。尾は鳳凰(ほうおう)に寄せて長くした。
沖野さんは「市役所に飾るフェニックスを作らせていただいたのは名誉あることでありがたい」と話していた。
21日は除幕式を行い、メンバーが見守るなかで町田会長と鈴木力市長が白布を引いて白布を降ろした。
町田会長は「いろんな災害などがいつどこで起きてもおかしくない時代だが、これから何が起きてもこのフェニックス像のように燕市が立ち上がり、地域の発展につながっていけたら」と話した。
鈴木市長は「市民の皆さんにとってはひとつの誇り、プライドになるような、目に見えるような形でいただいた」と感謝した。
分水ロータリークラブは、ほかにも創立50周年記念で分水地区の3小学校と1中学校に設置する防犯カメラの寄付の目録を燕市に贈っている。