新潟県加茂市の青海神社の春季例大祭「加茂祭り」は21日、大祭のあと御神幸(ごしんこう)が行われた。行列を組んで神霊(しんれい)を移したみこしが氏子町内を渡御し、「乳母(うば)祭り」とも呼ばれるゆえんの赤ちゃんを背負ったが母親も行列に加わった。
青海神社は、青海神社、賀茂(かも)神社、賀茂御祖(みおや)神社の三社の本殿を合殿している。御神幸にはそれぞれ神霊を移した3基のみこしが渡御。午後2時に青海神社を前の宮大門を出発。てんぐを先頭に稚児や神官などが続いた。
出発地の宮大門付近は、見物客で二重、三重の人垣ができたが、そこから東へ100mも進むと見物客はぐっと少なくなる。みこしの意味を知る年配の人は、みこしが前に差し掛かると頭を下げたり、手を合わせたりしてありがたがっていた。
特徴的なのは、母親が生後1年くらいまでの乳児に産衣を着せて背負い、健やかな成長を祈願するもので、20組あまりが行列に加わった。この日は風が冷たかったが、おんぶするには暑過ぎずちょうどいい陽気だった。
今は赤ちゃんを体の前でだっこしするため、おんぶに不慣れな母親が多い。夫がみこしに参加している母親は「思った以上に大変」と言いながらも、沿道から「かわいい!」との声に笑顔だった。
3月に父の古川洸宮司が死去したため、宮司代理として初めて祭主を務める古川修権禰宜(ごんねぎ)(46)は、行列で古川宮司に代わりウマにまたがった。
春季例大祭最終日の22日は、午後1時半から神楽殿で太々神楽を奉納して19日に始まって4日間の祭事を閉じる。