「平成16年7月新潟・福島豪雨」に伴う7.13水害からことしで20年。五十嵐川の堤防決壊で9人が犠牲になった新潟県三条市で26日、国土交通省北陸地方整備局管内の信濃川下流総合水防演習が行われた。
毎年、国土交通省北陸地方整備局管内で、国土交通省をはじめ関係機関が5月の水防月間にあわせて実施している総合水防演習。7.13水害から20年の節目で初めて三条市で開かれた。
訓練は信濃川下流の増水を想定し、時系列にそって情報収集、水防広報、住民避難、救援物資輸送、応急腹腔工、ライフライン復旧、救難救助などを行った。
開会式では水防学習に訪れた須頃小学校の児童代表の6年生2人が「水害に対しどう対応すべきか学びたい」、「イザというと時に水害から身を守る工夫を学びたい」とあいさつした。
消防団による水防工法では、各市長がそれぞれの消防団の活動を見学し、激励した。
終盤の救難救助では、ボートによる水害救助と県警航空隊による浸水家屋からのヘリつり上げ訓練も行った。
来賓として出席した国定勇人衆院議員は7.13水害当時は三条市総務部参事兼情報政策課長で、災害対策本部長として陣頭指揮をとった。その後も三条市水害対応マニュアルの作成とそれに沿った水害対応防災訓練の実施、河川改修や水防学習館の設置など三条市長となってからもハード、ソフトの両面で三条市を見違えるほど災害に強いまちに生まれ変わらせた。
おかげで2011年の「平成23年7月新潟・福島豪雨」に伴う、7.29水害では、7.13水害をはるかにしのぐ雨量を記録する集中豪雨に見舞われたが、7.13水害より被害を小さい食い止めることができた。
国定氏は「予見もしなかった7.13水害から20年。この場所は当時、災害廃棄物の仮置き場で山積みの状況だった。その後、さまざまなハードとソフトの整備が行われ、非常に感慨深い気持ちで見守っている。備えあれば憂いなしの状態にとどまることをこれから先も祈念している」と感慨深く当時を思い返していた。