1日、2日と新潟県三条市・三条防災ステーションで三条凧(いか)合戦が開かれている。ことしは新たに2組が参戦して30組の大台に。初日1日は朝から絶好の風にけしかけられるように初夏の青空を舞う三条六角巻凧が空中戦を繰り広げた。
三条凧協会(須藤謙一会長)が主催。江戸時代の1649年(慶安2)に陣屋が設けられたのが始まりとされ、370年以上も続く。三条では「凧」と書いても昔ながらの「いか」と読む。
参加30組は紅白に分かれ、陣地も分かれて互いに糸を絡め合う。同じ紅同士、白同士では合戦できない。相手の凧を落とすと1点、糸を切断すると3点、さらに上空高くで切断すると5点で勝利、得点する。組ごとに2日間の合戦の合計得点を競っている。
朝は風が弱くて凧が揚がらずに午後からの合戦に備えて調整のようになることが多いが、1日は朝から西寄りの風が吹いた。風が強すぎても凧を動かすことができないが、午後4時の合戦終了までいいあんばいの風が吹いた。
おかげで次々と糸がからんで勝負が続いた。揚げ師は休む間がなく、その意味ではハードな合戦が続いた。日常を忘れて頭のなかを凧のことだけ。優雅に青空を泳ぐ凧とは対照的に地上では人生をかけているように熱中する揚げ師たちの三条弁まる出しの怒号が飛び交っていた。
新しい2組のひとつは、昨年から三条凧協会と交流している群馬県前橋市の前橋商工会議所青年部が結成した「緑水会」。毎年、「上州空っ風凧揚げ大会」を主催し、昨年から三条凧協会と交流している。
今回は11人で参加し、1日は5点を上げて意気揚々と陣地に引き上げてきた。1人だけ1日早く31日から前乗りした石川将平副委員長(35)「もともと土曜も天気が悪いという予報だったから。それを考えれば幸せですね。1日だけでも」と大満足だった。
もうひとつは、三条マルシェ実行委員の有志が中心の「さんじょう浪士組」。ずぶの素人集団だけに2点にとどまったが、代表の鈴木千博さん(42)は、「すげー楽しかったです。また挑戦したいと思います」と凧合戦の魅力にはまっていた。
三条凧協会の須藤謙一会長は、いい風のおかげで「非常に熱戦の凧合戦が繰り広げられたのは良かった。5点を取ったところがいくつもあって良かった」と喜び、「あしたはアトラクションもあるので、晴れればいいなと思っている」と雨予報が外れることを願っていた。
初日の結果は、赤組は東三条五月会52点、白組は三条越路組26点がトップに立った。昨年、最高得点優勝はそれまで10連勝していた常勝の東三条五月会が、あえて将来を見据えて大幅な世代交代で若手の育成を図ったが、その成果がさっそく表れたようで、最高得点優勝奪還にさっそくリーチだ。1日の得点結果と2日のプログラムは次の通り。
赤組 | 順 位 |
白組 | ||||||
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組名 | 得点 | 合戦数 | 勝率 | 組名 | 得点 | 合戦数 | 勝率 | |
東三条五月会 | 42 | 52 | 42% | 1 | 三条越路組 | 26 | 43 | 42% |
大町組景清 | 34 | 38 | 53% | 2 | 健青会 | 20 | 27 | 52% |
嵐南組 | 24 | 51 | 31% | 3 | 雷神組 | 19 | 39 | 33% |
謙信組 | 18 | 34 | 29% | 4 | 上町組 | 19 | 34 | 50% |
清友会 | 12 | 16 | 50% | 5 | 一ノ木戸清正組 | 17 | 24 | 38% |
まろみ会 | 12 | 22 | 27% | 6 | 三条小町会 | 17 | 29 | 38% |
越後三条鍛治集団 | 7 | 18 | 28% | 7 | 飛燕三舞会 | 16 | 29 | 41% |
三龍会 | 7 | 27 | 26% | 8 | 凧の藤組 | 15 | 32 | 34% |
白朗会 | 7 | 16 | 31% | 9 | 風神組 | 14 | 22 | 36% |
市役所用?楽部 | 6 | 13 | 31% | 10 | 旭組 | 8 | 18 | 44% |
福ノ島組 | 6 | 32 | 19% | 11 | 隆青会 | 7 | 27 | 26% |
緑水会 | 5 | 25 | 20% | 12 | 今井畳店凧揚げ部 | 7 | 8 | 38% |
福ノ島会 | 4 | 18 | 22% | 13 | 下田羚羊会 | 5 | 27 | 11% |
さんじょう浪士組 | 2 | 7 | 29% | 14 | 保内植木組 | 4 | 8 | 25% |
燕三条愛粋組 | 0 | 2 | 0% | 15 | 龍王組 | 3 | 4 | 75% |
■6月2日(日)プログラム