「道の駅 漢学の里しただ」で「八十里越を越えたひめさゆり祭」 食害で壊滅の下田のヒメサユリの花に代えて南会津町のヒメサユリを展示販売 (2024.6.5)

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新潟県三条市下田地区のヒメサユリの群生地が、ことしは食害で花が壊滅状態になった。ヒメサユリの開花を心待ちにしていた人たちに、せめて鉢植えでもヒメサユリの花を楽しんでもらえたらと、下田地区の「道の駅 漢学の里 しただ」(渡辺梨絵駅長・庭月)では、「八十里越を越えたひめさゆり祭」と銘打ち、5日から福島県南会津町で仕入れたヒメサユリの鉢植えを展示し、希望者には販売している。

農家レストラン「悟空」で渡辺駅長と展示している南会津町のヒメサユリ、南会津町の「ひめさゆり祭」のポスター
農家レストラン「悟空」で渡辺駅長と展示している南会津町のヒメサユリ、南会津町の「天空のひめさゆり」のポスター

下田より開花が1カ月遅れの南会津町から55株を仕入れて1株1,500円で販売も

渡辺駅長が3日、ヒメサユリを栽培する南会津町の農家を訪問し、55株を仕入れた。大半はまだつぼみで、開花はこれから。これを鉢植えにして道の駅の農家レストラン「悟空」の窓際に展示し、希望があれば税込み1,500円で販売している。

ヒメサユリはオトメユリの別名で、日本特産のユリ。宮城、新潟、福島、山形の県境を接する山に分布し、野生種は環境省のレッドリストで準絶滅危惧に登録されている。

下田地区では森町地内の高城城址に群生し、「ヒメサユリの小径(こみち)」として整備されている。県外からも見物客が訪れるが、ことしは動物の食害と思われる花の欠損に見舞われ、例年のわずか1割ていどしか咲かなかった。

農家レストラン「悟空」に展示されている南会津町のヒメサユリ
農家レストラン「悟空」に展示されている南会津町のヒメサユリ

三条市は5月15日から31日まで17日間、開催の計画だった恒例の「越後三条・高城 ヒメサユリ祭り」を19日までの5日間で切り上げざる得なかった。

かつてヒメサユリが群生した五輪峠のように南会津町の花は赤みが強い

がっかりしている人が多いだろうと、道の駅が目をつけたのが、下田地区より開花がほぼ1カ月遅れの南会津町で咲くヒメサユリ。町役場に問い合わせてヒメサユリの栽培農家を紹介してもらった。

水盤に浮かべたヒメサユリの花
水盤に浮かべたヒメサユリの花

南会津町では、高清水自然公園の標高850mの山上で、7haに100万本のヒメサユリが自生する。下田地区でもかつて五輪峠に群生したヒメサユリは、高城のヒメサユリの花より赤みが強かったが、南会津町のヒメサユリも赤みが強い。開花期に合わせて毎年、「ひめさゆり祭」が開かれ、ことしは19日から30日まで開かれる。

南会津町の「ひめさゆり祭」が八十里越を越えて下田の道の駅に

三条市と福島県只見町を結ぶ「八十里越」が早ければ2026年9月にも開通する。開通すれば只見町の南東に隣接する南会津町もぐっと近くなる。開通を前に南会津町からヒメサユリがやって来たことから、今回の企画の名称は「八十里越を越えたひめさゆり祭」。南会津町の「ひめさゆり祭」のPRにも一役買う。

南会津町の「第29回ひめさゆり祭」のポスター
南会津町の「第29回ひめさゆり祭」のポスター

渡辺駅長は「展示したヒメサユリの写真を撮る人もいるし、足が悪くて高城は登れないから、ここで見られて良かったという人もいた」と初日からうれしい反響に喜ぶ。「ことしの高城のヒメサユリ祭りは残念だったけど、せめてその代わりに道の駅でヒメサユリの花を楽しんでほしい」と来駅を待っている。

花が終わったり売り切れたりしたら終わるが、1週間から10日は大丈夫そうだ。営業は午前11時から午後3時まで。問い合わせは「道の駅 漢学の里 しただ」(0256-47-2230)。

道の駅 漢学の里 しただ

高清水自然公園
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