新潟県三条市の名物行事、三条凧(いか)合戦を主催する三条凧協会(須藤謙一会長・加盟30組)は、台湾の新北市で開かれている「新潟フェス in 台湾」に29日(土)、30日(日)の2日間、参加して三条凧合戦を披露する。2022年の日本とアゼルバイジャンの外交関係樹立30周年事業でアゼルバイジャンで三条凧合戦を披露して以来、2年ぶりに2回目の海外遠征で新潟県と三条市を台湾の人たちにPRする。
「新潟フェス in 台湾」は、台湾に新潟の魅力を紹介し、日本旅行の目的地に新潟を選んでもらおうと、21日から7月18日までの約1カ月間、新北市のショッピングモール「環球購物中心新北中和店」で開かれる。新潟空港と台湾桃園空港の直行便を利用して台湾から新潟への観光客増加もねらっている。
この「新潟フェス in 台湾」に三条凧協会として出展。三条凧協会から須藤会長をはじめ、ことしの三条凧合戦に初参加した群馬県前橋市の前橋商工会議所を青年部を母体とした「緑水会」の2人を含む18人の揚げ師が参加する。
29日、30日と環球購物中心新北中和店で三条六角巻き凧の絵付けワークショップと凧展示を行う。会場近くの陽光運動園区では三条六角巻凧揚げ体験、台湾復興祈願凧揚げ、模擬凧合戦披露を行う。
ワークショップでは、三条六角巻凧を作る須藤凧屋の須藤謙一会長が下絵を描いた凧に参加者から染料を塗ってもらう。台湾復興祈願凧揚げは、4月に台湾で発生した花蓮(かれん)地震からの復興を願って行う。揚げる凧には、須藤会長が徳川家康の武者絵に「台湾加油(頑張れ)」、両国国旗と「友好年2024」と書いた。
台湾は凧揚げが盛んで、陽光運動園区には凧揚げを楽しめる多機能スポーツ広場として設計された公園もあって毎年、カイトフェスティバルが開かれているという。
「新潟フェス in 台湾」を主催するのは、昨年5月に燕市で創業したニイガタソウゾウ株式会社。その初めての大きな事業になる。代表取締役は長岡市出身の早川琳さん(30)。台湾やベトナムで輸入を手がけたことがある。会社は早川さんがひとりだけで、台湾の会社とともに準備を進めている。
三条凧協合戦は、2年前のアゼルバイジャンに続いて今回が2回目の海外遠征。須藤謙一会長は「アゼルバイジャンの倍近い人数で行けることになった。ぜひ三条凧合戦、三条六角巻凧を台湾の方に知っていただくいい機会をいただいたので2日間、一生懸命やっていきたい」と力を込めた。
早川さんが燕三条地域の会社に出展の依頼に回るなかで、三条凧協会の結城靖博副会長から早川さんに三条凧合戦の話をもちかけたのがきっかけだった。結城副会長は「ニイガタソウゾウは産業の交流に非常に力を入れていると思うが、文化的なところを紹介できれば、いっそうフェア自体にも厚みが出るし、新潟県の文化、いい物を伝えられると思って提案させていただいた」と期待している。