かつて新潟県の白山前駅(新潟市)と燕駅(燕市)を結んだ新潟交通電車線(通称:電鉄)で活躍した車両3両を旧月潟駅(新潟市南区月潟)で保存、維持管理する「かぼちゃ電車保存会」(平田翼会長・会員約30人)は、地元の月潟まつりの開催にあわせて22日(土)、23日(日)の2日間、旧月潟駅で車両開放イベントを行っている。今回のイベントで発売した燕駅にあったローマ字書きの案内看板をデザインしたオリジナルグッズのトートバッグ30個は、初日22日で完売した。
このトートバッグは、約35センチ四方で、2,000円で発売した。基にしたデザインは、燕駅にあったローマ字書きの案内看板。それをトートバッグの片面にプリントしたもので、そのローマ字の上には、燕駅の電鉄乗り場にあった右書きの「車電行潟新」(新潟行電車)の文字を加えた。
2017年に会員がX(当時のTwitter)にローマ字書き案内看板を画像付きで投稿したところ、この6月まで7年間でリポストが7,000を超えた。その人気を受けてトートバッグを企画した。
売れ残りを心配して製作は30個にとどめたが、さすがに数が足りず、2日間、販売するつもりだったのに、初日だけで完売した。ただ今後、追加販売を期待できそうだ。
今回の車両開放イベントでは、車両と駅舎内の開放のほか、車掌体験コーナー、電鉄関連のビデオ上映、トロッコ運行、保存会グッズの物販、22日に限り夜間の車両ライトアップを行った。
トロッコ運行は、かぼちゃ電車が乗っているレールの上を数十メートル、トロッコに乗って走行するもの。これまでを会員が手押しして走らせていたが、肉体的負担の大きさに加え、動力で動いている感覚を楽しんでもらおうと、今回はかぼちゃ電車を動かすこともできる車両移動機「アント」でトロッコを動かしている。
利用者がトロッコに乗ったら、汽笛を鳴らして出発進行。アントに積んだガソリンエンジンがうなりを上げてトロッコを動かしていた。
今回は、電鉄営業当時に使われた本物の未使用の硬券を大量に寄付を受けたことから、日付とはさみを入れて1枚300円で販売している。はさみも実際に当時の駅で使われたものを使っている。
1992年(平成4)に白山前−東関屋駅間が廃止された後に東関屋駅から新潟駅まで運行したバスに乗車するために発行した清算済証を2,000円、車内で乗車券の販売に使った車内補充券を3,000円で販売。かぼちゃ電車の補修で外した傷んだパーツも販売しており、かぼちゃ電車ファンには掛け替えのないグッズもある。23日は午前10時から午後5時まで。