竹林を生かしたアートプロジェクトで注目を集めるタケノコの産地、新潟県田上町。今度は「七夕」日本初の竹短冊に願いを書いて道の駅や湯田上温泉の旅館に飾ってもらう「田上七夕めぐり」が初めて開かれている。
「道の駅たがみ」と湯田上温泉の「ホテル小柳」、「越後のお宿 若竹」、「末廣館」、「旅館 初音」に竹短冊を飾るオブジェが設置されている。新潟市中央区の空間デザイナー小出真吾さんが制作した。
道の駅たがみでは、なかでもいちばん大きな高さ、幅とも約3メートルのオブジェが設置されている。竹色の緑に着色した角材を幾何学的に組み合わせた多面体の骨組みのような造形だ。
竹短冊は、田上のタケで作った縦20センチ、横7センチほどの大きさ。レジカウンターで1枚300円で販売しており、そこに願いごとを書いて絵馬のような感覚でオブジェに下げてもらおうという趣向だ。七夕が終わったら定福寺でおたき上げしてもらう。
26日は、地元のルーテル幼稚園の年長児16人が道の駅たがみを訪れ、幼稚園で願いごとを書いてきた竹短冊をオブジェに飾った。「あまのがわでおよぎたい」、「せがのびてつよくなりたい」、「アイドルになりたい」など子どもらしい願いごとが下がった。
温泉旅館には道の駅より小ぶりのオブジェを設置している。ホテル小柳にはハワイやベトナムからの宿泊が書いた英語など横書きの短冊も新鮮だ。
「田上七夕めぐり」は、田上町の主導で設立して3年目になる田上町産業活性化ブランド戦略協議会が主催で22日から7月7日まで開かれている。農商工連携による6次産業化を推進しようとこれまで調査や議論を重ねてきた。
今年度はさらに田上町のブランド力の向上を図ろうと、地元の若手の実働部隊のメンバーを増やした。新潟薬科大学の杉田耕一教授を会長に迎えてギアを一段、上げた。
田上町では道の駅を拠点に2年前から秋に放置竹林を活用した竹あかりのアートプロジェクト「たがみバンブーブー」が開かれ、田上町にこれまでになかったような注目を集めた。協議会でも竹にちなんだアクションをと竹短冊を考案し、「田上七夕めぐり」を企画した。
馬場駅長は「道の駅に置いてあることで、多くの人がこれを見て田上はタケなんだなと感じてくれるんじゃないかと思う」とPR効果に期待。杉田教授は「地域と調和しながらタケを軸にして田上のブランド力を高めていきたい」と張り切っている。