新潟県燕市の遠藤一真副市長は1日、鈴木力市長から辞令の交付を受けたあと、臨時部長会議で副市長就任のあいさつを行った。遠藤副市長は、現代は自治体がアイデアと実行力を競う時代であり、全職員が一致団結して同じゴールに向かうことが重要だと強調した。
情報共有の重要性について、とくに悪いニュースを早期に伝える「バッドニュースファースト」の重要性を強調。迅速な対応が組織の健全性を保つために必要だと述べた。
今後も開かれた姿勢で情報交換を行い、自身の資質を高めながら、市長や教育長、職員と共に誠意を持って課題に取り組んでいく決意を示した。あいさつの概要は次の通り。
■遠藤副市長のあいさつの概要
先ほど市長より辞令をいただき、本日付けで副市長を拝命した。席で言うとこの会議ではここからここに移っただけほんのちょっとだけの移動だが、職責の大きさ、重さ、体中ひしひしとその重さを感じている。
先月の市議会のあいさつでも申し上げたが、それぞれの自治体がアイデアや実行力を競い合う時代になっている今、すべての職員がモチベーションを保ちながら一丸となって同じ目的、同じゴールに向かって進んでいく、一致団結して協力して進んでいくことがいちばん大切と思う。
先日、南波副市長がここであいさつされた3人のレンガ職人の話も、そこに通じていると思う。そのために上司も部下も自分が思ってることや感じていること、意見をいかに他の人に伝えるか、感じてもらえるか、共感してもらうことが大切。違った見方の異見にも聞く耳をいかにもてるかということも大切になってくる。
皆さんはそれぞれの部署で自由に話し合いができ、風通しの良い職場となることを意識しながら進めていただきたい。
週末、いろいろいろんな記事を見ていたら気になる言葉があった。それは「バッドニュースファースト」という言葉。簡単に言うと悪いニュースは早めに伝えてということになるが、市役所だけじゃなくて民間企業を含めて多くの組織が同じような課題を抱えていると思う。
かつてみずほ銀行で大規模なシステム障害が起こったことがあった。大きなネットワークがあるが、そのなかの7割ぐらいのATMでキャッシュカードや通帳を差し込むとそのまま吸い込まれて戻らないという大きな障害、事故があった。
そのことを経営側のトップが初めて知ったのが3時間半後、しかもネットニュースを見て初めて知った。その障害はそのとき初めて起こったわけではんく、あとからわかったが、かねてよりそういう小さなエラーが積み重なっていたのに、それがバッドニュースとして上に上がってきていなかったということもその原因の一つだと伝えられた。
ほかにも先週、小林製薬の紅麹サプリの問題で死亡が当初、厚労省には5人と伝えられていたが、ここへ来てなんと死亡が76人もあったのにはずっと黙っていて、厚労省が会社に問い合わせてわかったということで、武見厚労相もかなり怒っていて、任せておけないといった話もあった。
早い段階でちゃんときっちりと正しておけば、人数も人数なので相当、たたかれると思うが、時間がたてば少しずつ薄れてくるのが世の常。もう1回そんな大きなことが起こってしまうと、なかなか会社としても重大なことになってくる。
この2つの事例が何を教訓にしてるかといえば、バッドニュースこそ組織として、しっかりと素早く共有して、それに対処していくことの大切さを、教訓にしていると思う。
そうした意味から私は南波副市長と同様に、副市長室の扉はいつでも開けておくので、何かあったらいつでも話してほいしい。
それと昨年から行っているが、部局長、所管の皆さんとの情報交換も定期的に行っていきたい。とはいえ、私自身も副市長としてしっかりと仕事をしていけるよう、資質を高める、自己研鑽に努めていきたい。
市長や教育長、職員の皆さんと一緒になってで、目の前の小さな課題からひとつずつ誠意をもって、しっかりと一生懸命に取り組み、ひとつずつハードルを越えていきたい。