オリジナルテレビアニメ「Do It Yourself!!-どぅー・いっと・ゆあせるふ-」(「DIY!!」)の舞台になった新潟三条市を「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」2024年版に認定した一般社団法人アニメツーリズム協会(富野由悠季会長・東京都千代田区)は9日、三条市に聖地認定のプレートとご朱印を授与した。
「DIY!!」 は、ものづくりのまち三条市を舞台にしたオリジナルテレビアニメ。2022年10月から12月に放送された。のちに三条市内を中心に撮影が行われた実写ドラマ化もされた。
放送が終わっても三条市は「DIY!!」のアニメ、ドラマの舞台であることを継続して積極的に発信している。放送から1年半以上もたった今も全国からファンが訪れ、あらためて言われるまでもなくファンにとって聖地化している。
「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」は、世界で人気の日本アニメ作品をより高め、地域活性やインバウンド需要の創出に結びつけることを目的に、アニメツーリズム協会が2018年から毎年、実施している。
2024年度版の投票は、ウェブと投票箱で23年6月1日から10月31日まで行われ、87作品、26施設、2イベントと、三条市を含む107自治体を選定。県内では三条市のほかに新潟市中央区の「新潟市マンガ・アニメ情報館」と「新潟市マンガの家」が選ばれている。
9日、アニメツーリズム協会の鈴木則道専務理事が三条市役所を訪れ、滝沢亮市長に聖地認定プレートとご朱印を手渡した。聖地認定プレートは「Animation spot」などと英文だけで記述されたゴールドのプレートと、「DIY!!」を紹介するプレートがセットになっている。
認定プレートとご朱印は約8センチ四方。三条市民や三条市を訪れるファンのために10日から三条市図書館等複合施設「まちやま」のカウンターわきに設置し、自由に見学、専用台紙にご朱印を押してもらう。
ご朱印には「DIY!!」とアニメツーリズム協会のロゴをデザインしてあり、ご朱印を押すための「巡礼記念」の台紙も用意する。さっそく滝沢市長が第1号としてご朱印を押した。
滝沢市長は「アニメ聖地88に選んでいただいて、さらに盛り上がるかなと思っている」と感謝した。鈴木専務理事は三条市の「DIY!!」ファンに対する手厚い取り組み、一例としてことしの三条凧(いか)合戦に「DIY!!」の声優が出演したイベントを取り上げ、「アニメ聖地として選定されたところのお手本となるような取り組み」と絶賛した。
滝沢市長は「DIY!!」と地元企業とのコラボグッズの開発が自主的に行われていることを紹介した。その皮切りとなった燕三条鉄アイスは、三条市役所で買うことに意義があるんだと、県外から鉄アイスを買いに来た人がいた。
「DIY!!」の放送も首都圏では深夜の放送だったのに、三条で日曜朝9時半にリアルタイムで見ることに意義があると、土曜から三条市内のホテルに泊まって翌朝、「DIY!!」を見ていた人もいた。
鈴木専務理事は、市職員が一生懸命に楽しみ、市長も作品を愛していることにふれると、滝沢市長は「DIY!!」のキャラクターの「ぷりん」推しであることを告白。鈴木専務理事は「首長の理解、支援があるとないとでは、アニメの聖地としての発展は随分、差がつくので、三条市は今後もアニメ聖地としての発展も約束されていると感じた」と期待した。
市職員が「DIY!!」の大ファンになり、ファン同士のキャラクターの誕生パーティーや三条市内でのオフ会を主催するなど、ミイラ取りがミイラにの状態に。鈴木専務理事は「そういう取り組みの積み重ねが最終的には交流人口増大、定住人口増大につながってくると確信している」。
滝沢市長は今回の選定で、これまでファンを中心に盛り上がってきたが、「さらに協会の皆さんにある意味、箔(はく)がさらにこのアニメに付いた。これまでアプローチできなかった人にもこれをきっかけに、さらにこんなアニメあるだな、ドラマもあるんだな、そして三条市ってのがあるんだなと知ってもらえるいい機会になる」と喜んだ。
そして三条市市に足を運んでもらってアニメ登場するスポットを回って聖地巡礼し、「アニメに出てない所もあるので、皆さんなりの三条市のお気に入りスポットを見つけてもらえるとうれしい」と希望。選定された聖地は「全国で大ヒットした映画や皆さんが知ってる映画、アニメが並んでいるなかで、そこと同じところに載ることができたのは、本当に三条市にとって光栄なこと」と手放しで喜んだ。