鍛工品製造の有限会社國光工業(新潟県三条市金子新田丙)は、10日付けで事業を停止し、事後処理を弁護士に一任して自己破産申請の準備に入った。負債は役員借入金を除いて約5000万円が見込まれる。
帝国データバンク新潟支社によると、同社は1903年創業、68年6月に法人改組された古参の鍛工品製造業者。熟練職人による熱間鍛造が主体で、高温に加熱した金属を鍛造加工し、機械、自動車、農機具の部品や工具、治具などを製造。三条市や燕市の製造業者などから二次下請け、三次下請けが中心の下請けを軸とし、2006年5月期には、年売上高約1億3000万円をあげていた。
しかし、近年は機械加工による高精度な部品が主流となり、同社の受注は減少。従業員の高齢化、人手不足も加わり、ここ数年の年売上高は8000万円程度に低迷していた。
利益面では、二次、三次下請けによる低採算の受注が多く、慢性的な赤字決算で債務超過の状態にあった。
赤字補てんなどを目的として、金融機関や親族を含む役員からの借入金を導入してしのいでいたが、金融債務の返済負担が重く、原材料やエネルギー価格の高騰もマイナス要因となり、事業継続を断念した。