新潟県三条市の名物行事、三条凧(いか)合戦を主催する三条凧協会(須藤謙一会長・加盟30組)は、台湾の新北市で開かれた「新潟フェス in 台湾」に6月29日、30日の2日間、参加して三条凧合戦を披露した。
新潟空港からの直行便を利用し、28日午後10時半に台湾桃園空港に到着した三条凧協会のメンバーは、翌日の凧合戦に備えて新北市入りした。現地の天気予報では、梅雨時期ということもあり雨と雷の予報が出ていたが、合戦当日の29日、30日はともに晴天で気温39度を超える猛暑日となった。
炎天下のこともあり、客入りはまばらとなったが、それでも現地のニュースやちらしを見て凧揚げを体験しに来てくれる人もいて、100人近いの台湾の人に凧揚げを体験してもらった。また、台湾在住の新潟県人会のメンバーが家族や知人を多く連れて来てくれる場面もあり、会場は終始アットホームな雰囲気となった。
4月に台湾で発生した花蓮(かれん)地震からの復興を願って行った台湾復興祈願凧揚げは、徳川家康の武者絵に「台湾加油(頑張れ)」、両国国旗と「友好年2024」と書かれた凧を揚げ、現地メディアの取材も受けた。
また環球購物中心新北中和店で開催された「新潟フェス」は、30日が小中学校の年度末だったこともあり、家族連れで大いににぎわった。三条凧協会では、三条六角巻凧への絵付けワークショップを開催し、武者絵の描かれた六角凧を珍しく眺める客でにぎわった。
29日の夜には、在台湾新潟県人会と三条凧協会との交流会も企画され、両会合わせて40人近い会員が出席して交流を深めた。在台湾新潟県人会の井口会長は「三条から大勢の揚げ師のみなさんにお越しいただきとてもうれしい。台湾で新潟の魅力を伝えてほしい」と話した。
今回の海外事業に関して、須藤会長は「アゼルバイジャンの事業から2年でまた海外で三条凧合戦を披露できてうれしい。多くの台湾の方の目にふれることができた、野外で揚げてた協会のメンバーは暑さに苦しめられたが、事故もなく全員、無事に帰国できたことも含めて大きな成果となる台湾PR事業でした」と話していた。
記事提供:結城靖博三条凧協会副会長