母校の中学生に地元の学習室を提供したいと、学習室の空白地域にあるコワーキングスペース「NI to WA(ニトワ)」(新潟県三条市柳新田1342-1)は、三条市立第四中学校の3年生を対象に20日(土)を皮切りに月2回、施設を無料開放する。
原則として来年3月まで休まず第1、第3土曜の月2回、午前10時から午後5時まで無料開放する。四中3年生なら予約なしで誰でも利用できる。
机には電源が設置してあり、無料WI-FIが利用できる。モデルガーデンの一部を構成する施設でもあり、人間が本能的に求める緑の中で学習できる。もちろん冷暖房も完備し、これ以上ない学習の環境が整っている。
利用は本人確認のため生徒手帳をスタッフに提示する。私語はせず、周りの人に思いやりをもった利用が求められる。
「NI to WA」は昨年3月にオープンした。長橋正宇さん(35)が代表に就く株式会社帝樹園庭正(三条市柳場新田)が設置、運営する。
三条市内では図書館等複合施設「まちやま」では、学習席が足りないほど人気がある。しかし、地元には学習できる施設がないと、地元の元第四中PTA会長がこぼしていた。
一方で宮崎県宮崎市が中心市街地のコワーキングスペーを中高生に無料提供している取り組みも知った。長橋さんは「その2つが合致して、需要があるなら自分もできることをやってみようと思った」と話す。
「NI to WA」の存在はまだあまり地元の子どもたちに知られていない。第四中学校を通じて無料開放のちらしを配布し、ことしの春に行ったイベントを秋にも企画して周知する。
自身は第四中の偏差値を下げ、やんちゃで問題児だった記憶がある。母校にせめてもの恩返しという気持ちもある。いずれは塾講師からボランティアで学習指導でサポートする計画もある。
こうした取り組みに受験生から喜んでもらうのが長橋さんの願いだ。「四中生で良かったと思えてもらったらうれしい」と利用してもらえることが喜びで、気軽な利用を待っている。問い合わせは「NI to WA」(0256-47-4331)へ。