20日、21日の2日間開かれた新潟県燕市分水地区の夏まつり「第51回分水まつり」の2日目のフィナーレに国指定重要無形民俗文化財の「伊勢大神楽(いせだいかぐら)」がお目見えし、圧倒的な妙技で見物客をわかせた。
伊勢大神楽の始まりは、三重県伊勢市・伊勢神宮の神札を携えて諸国をめぐり、獅子舞を舞う神楽師で、450年から600年の歴史の歴史がある。毎年、分水まつりで演奏している地元和太鼓集団「分水太鼓」が、先に新潟市で開かれた「アート・ミックス・ジャパン」で見た伊勢大神楽に魅了されて出演を依頼し、実現した。
一般社団法人部伊勢大神楽講社には五家の家元が存続している。そのうち山本勘太夫家が出演。歩行者天国にした路上を舞台に分水太鼓の演奏の途中で芸能を披露した。
獅子舞に始まり、どんどん棒をつないで空高く伸ばしたり、肩の上に獅子を立たせて走ったり、皿を回したり、遠心力などを利用して皿が手にくっつているように見せて踊ったり。大道芸やジャグリングとも言える技と力を駆使した妙技に見物客は目をくぎ付けだった。
自然と拍手や手拍子でわき、常識を超えていくパフォーマンスに若い人も「やばいよ、やばいよ!」と目を丸くして驚き、「どうしてこんなことできるの」とあっけにとられていた。
最後は分水太鼓の「酒呑童子」を演奏し、もちまきも行って2日間の夏まつりを終わった。
memo
まったく予備知識なく取材に行ったが心底、驚いた。「神楽」の先入観でのんびりした演目を予想していたが、激しいわ、笑わせるわ、脅かせるわ。生涯で一度は見たい伝統芸能だ。