創業130年を超える老舗日本酒メーカー、宝山酒造株式会社（新潟県新潟市西蒲区石瀬）は、7月19日に新潟地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債は金融機関を中心に約2億2000万円。事業譲渡先を模索している。

帝国データバンク新潟支店によると、同社は1885年（明治18）創業、1953年（昭和28）11月に法人改組された日本酒メーカー。自社ブランドの日本酒「宝山」を主体に甘酒やリキュールの製造販売も手がけた。

同社周辺には、弥彦神社などの観光スポットがあり、観光コースとして酒蔵見学で集客を図り、日本酒の直販が増加した1995年6月期には年売上高約2億6100万円を計上していた。

しかし、その後、日本酒離れが進むなかで売り上げは低迷、打開策としてインターネット販売の拡大などを図ったが業績回復には至らず、2023年6月の年売上高は約1億円まで低下していた。

赤字決算を背景に債務超過が続き、厳しい資金繰りを強いられるなか、設備や赤字補てんなどを目的に導入した金融機関からの借入金の返済負担が重く、さらに代表の体調不良もあり、今回の措置となった。