新潟県の「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録が27日に決まったのを受けて、佐渡市などとともに佐渡弥彦米山国定公園の指定区域にある弥彦村は31日、登録決定を祝うセレモニーを行った。佐渡の宿泊に加えて弥彦神社や弥彦温泉を中心とした観光地の弥彦村でもう1泊「ワン モア ステイ(One More Stay)」をと意気込んでいる。
弥彦の観光拠点「おもてなし広場」にテントを張って「祝 世界文化遺産登録決定 佐渡弥彦米山国定公園 佐渡島の金山」とある横断幕とくす玉を下げた。
BGMで「佐渡おけさ」を流しながら本間芳之村長、弥彦観光協会の河村信之会長、弥彦温泉観光旅館組合の川上憲太郎組合長、それに弥彦村公式マスコットキャラクターのミコぴょんでくす玉を割った。
本間村長は、佐渡の市民団体による世界遺産登録に向けた運動から27年で悲願を達成した関係者の苦労に敬意を表し、「弥彦村としては、佐渡弥彦米山国定公園の立場からも大変うれしい」と喜んだ。
晴れた日には弥彦山頂からも佐渡島の素晴らしい景色を望むことができる。8月にはおもてなし広場で佐渡の物産フェアを行う考えで、「これから国内外からたくさんの観光客が訪れる。佐渡市での滞在、宿泊に加え、さらに“ワン モア ステイ” して新潟県内、とくに弥彦村で過ごしいただけましたら幸い」とアピールした。
世界遺産となる佐渡島で宿泊に加えて弥彦でもう1泊してもらういいフレーズがないかと、本間村長が「ワン モア ステイ」を思いついた。この日の朝、「降ってきた」と本間村長は自信作にご機嫌だった。
「薄暮のころの佐渡の山頂から見る景色もさることながら、弥彦山頂から見る佐渡島もすばらしい。多の景色もさることながら、こっちから見る佐渡島もすばらしい。二次交通も大切で、1日でも多く弥彦に泊まってもらう企画もつくっていきたい」とも話していた。
河村会長は、「私どもも観光や物流を有効利用し、世界遺産の恩恵を受けられればと思う。観光協会としても何かしらの策を講じていきたい。官民一体となり、新潟県、佐渡、弥彦を盛り上げていきたい」と期待を膨らませた。
佐渡弥彦米山国定公園は1950年、佐渡弥彦国定公園として国内で最初に制定された国定公園。81年に米山公園を加えて今の名称になった。佐渡の海岸線を中心とする佐渡地域、弥彦山を中心とする弥彦地域、米山とそのすそ野の福浦八景が中心の米山地域の3カ所から成る。
指定区域は佐渡地区が佐渡市、弥彦地区が新潟市西区、西蒲区、弥彦村、燕市、米山地区が柏崎市、上越市にまたがる。
弥彦村では村役場にも世界遺産登録決定を祝う横断幕を掲げ、「山の日」の11日に弥彦山頂で行われる毎年恒例の「山の日イベント in 弥彦山」は世界遺産登録決定の記念イベントという位置づけで行う。