新潟県三条市の大島地区は果樹産地で知られる。その生産物の魅力を首都圏でもアピールしてもらおうと三条市は6日、都内の人気パティシエ7人を三条市へ招待してフルーツ産地ツアーを行った。
2年前に都内で活躍する三条市出身のパティシエ捧雄介さん(46)と三条産フルーツの知名度向上を目的としたPR事業を開始。捧さんが市内の農家を訪問して三条産フルーツの魅力を体感し、三条産の西洋ナシ「ル レクチエ」を使ったスイーツを首都圏で販売して反響を呼んだ。
昨年度は三条市フルーツ産地ツアーを開き、捧さんと都内の著名なパティシエ3人が参加した。三条産ル レクチエを使ったスイーツを都内4店舗で販売。あわせてそのスイーツを購入して指定のハッシュタグと合わせてインスタグラムに写真を投稿いただくと抽選で三条産ル レクチエをプレゼントするキャンペーンを行い、販売期間で合計約3,000個のスイーツが販売された。
好評につき今回はさらにパティシエを7人に増やしてツアーを開催。いずれも大島地区の石田フルーツガーデンでモモ畑で旬の品種「なつっこ」と「川中島白桃」を収穫、試食し、渡辺果樹園でル レクチエとブドウの畑、ル レクチエの追熟施設を見学し、「シャインマスカット」、「ナガノパープル」、「クイーンセブン」などささまざま品種のブドウを試食してもらい、乗用の草刈機の乗車も体験してもらった。
石田フルーツガーデンでは経営者の石田聡さん(57)が案内した。モモの収穫体験では果実をねじって引くと枝にこすって傷がつくので、ひねらずに真っすぐ引くようにアドバイスし、参加者は順番にモモを自分の手でもいでみた。参加者は、糖度の変化の要因は、価格はどう決まるのか、実った果実のうち何割が商品になるのかなど、次々と質問が飛び出した。石田さんはとれたてのモモで作ったスムージーを振る舞い、甘過ぎずさっぱりしていて香りがあると好評だった。
捧さんは昨年、三条産のル レクチエを使った「エクレール」を商品化した。「すごくおいしいという声をすごく聞いた。居年はル レクチエで違う商品を出してたので、ひとつ食べておいしかったから次はこれも食べてみたいと何回も来てくださるお客さまもいた」と手応えを感じた。
今後も三条産のフルーツの商品化を続けて「首都圏の人が知らないだけで、三条のフルーツは本当においしいので、少しでもそれが伝わればと思う」と意欲的だった。