新潟県三条市石上地区の住宅の軒先で、あまり見かけなくなったニホンミツバチがかたまる分蜂(ぶんぽう)をつくった。
住宅の家人が5日夜に発見した。遠目にはタケのざるを張り付けたように見える。近づいて見ると、黒と黄のしま模様になった体のニホンミツバチがうごめいているのがわかる。
その様子を調べに出向いたのは、燕市で養蜂を手がける農業・土田信行さん(56)。土田さんによると、集まっているニホンミツバチは約1万匹にもなり、分蜂の中には女王蜂がいると言う。
分蜂はミツバチが群れを増やすために巣別れするための引っ越し作業。周辺は田んぼであまり花はないため、おそらくここで巣をつくることはなく、ほかの場所へ引っ越す途中と土田さんは見る。
土田さんによれば、ニホンミツバチは次に移動する場所を探していて、見つかれば放っておいてもいなくなると言う。その気になればこの場所で巣箱に入れて飼育することもできるが、家の人にその気はない。
「夏は花がないからミツバチにとっては辛抱の時期。きょうみたいなどんよりしてじめじめしたときに不思議と分蜂が出る」と土田さん。「このあたりは定住する環境じゃない」と、しばらくこのまま様子をみることを勧めていた。