新潟県燕市燕地区を拠点とする和太鼓集団「飛燕(ひえん)太鼓保存会」(杉山博人会長・会員25人)は、16日(金)から18日(日)までの3日間、佐渡市で開かれるミュージック・フェスティバル「アース・セレブレーション」の出演者を公募する企画に応募し、初出演が決まった。佐渡を拠点に世界で活躍する太鼓芸能集団「鼓童」と共演することもあり、本番に向けて緊張感をもって練習に励んでいる。
アース・セレブレーションは毎年、佐渡で開かれている。飛燕太鼓保存会が出演するのは、2日目の17日(土)午前10時半から11時半まで三角公園フリンジ会場で開かれる特別フリンジ「ちょこっと太鼓フェス」。公募して選ばれた4団体と鼓童が出演する。
飛燕太鼓保存会のほかの出演団体は、Ibuki Taiko(北アイルランド)、サエキ囃子保存会(大阪府交野市)、和太鼓いぶき(秋田県秋田市)。団体ごとに演奏するか、全団体で一緒に鼓童の曲「遙か」を合同で演奏する。
飛燕太鼓保存会は、自前でつくったオリジナル曲「廻(めぐ)る」と大阪の和楽器演奏家、堀江一義氏から昨年2月に作曲してもらい、この夏の地元の飛燕夏まつりで初演した「age-Ha!」の2曲を演奏する。小学6年、中学1年、高校1年を含む12人が佐渡へ渡って出演する。
アース・セレブレーションの開催に合わせて2泊3日で佐渡に滞在する。「佐渡島の金山」の世界遺産登録で佐渡は盛り上がっているところだが、滞在中は観光の余裕はなく、たっぷり太鼓漬けになる。
飛燕太鼓保存会は合併前の旧燕市で1988年10月1日に17人のメンバーで発足した。発足のきっかけは太鼓ありきではなく、当時、燕市民祭の行事を充実したものにするため若者が積極的に参加し、町に誇れる新しい行事を生み出すのが目的だったが、ことしでも44年にもなった。
かつては少年飛燕太鼓もあったが、10年前の2014年に飛燕太鼓保存会に統合された。今のメンバーは小学生から60代までと幅広く、週2回、燕市老人福祉センターで練習し、飛燕夏まつりをはじめ、主に市内のイベントに出演している。
今回の「アース・セレブレーション」は主演者の公募があることを知り、代表の櫻井由美子さん(54)が選ばれると思わずダメ元で5月に応募してみた。「6月1日に出演が決まったと電話があり、びっくりした」と櫻井さんは自分で応募しながら驚いた。
飛燕夏まつりの練習と合わせてアース・セレブレーションに向けて練習。飛燕夏まつり後はアース・セレブレーションに集中し、モチベーションが上がっている。
鼓童がとりを飾った2022年に新潟市で開かれた新潟県太鼓フェスティバルに飛燕太鼓保存会も出演したことがあるが、今回は鼓童と一緒に演奏する。
太鼓に打ち込む人にとって鼓童は雲の上の存在。「こんな機会は2度とない」とその貴重さを話す櫻井さん。「みんな今まで以上にに練習を頑張っている。緊張せずに楽しく演奏できたらいいと思っている」と話した。
また、2021年から燕市でALTを務める米国出身のバレリー・スプリーマーさん(27)は、佐渡で見た鼓童に魅了されて自分も演奏したいと飛燕太鼓保存会に参加し、笛をタントする。それがまさかの鼓童との共演に「一生懸命に頑張りたい」とわくわくが止まらない。