首都圏の大学野球の次世代育成を図ろうと試合出場の機会が限られる1、2年生を対象に新潟県三条市などを会場にしたリーグ戦「大学野球サマーリーグ」が8日、開幕。ことしは第10回の節目で、9大学と県内6高校が参加して12日までの5日間で24試合を繰り広げる。

第10回大学野球サマーリーグの開幕戦　立教大vs新潟大

10年で延べ2千人がサマーリーグでプレーして社会へ、プロ野球へ

参加チームは大学が、六大学野球の慶応、早稲田、明治、立教、法政の5大学と筑波、國學院、拓殖、それに新潟。高校は五泉、新潟西、新潟、巻、関根学園、北越。三条パール金属スタジアム（三条市）をメーン会場に新潟市白根球場（新潟市南区）、見附運動公園野球場（見附市）の3会場で各大学4試合、高校は1試合を行う。誰でも無料で入場できるが、1人1口1,000円以上の協力金を求めている。

三条パール金属での開幕戦、立教大対新潟大の前に開会式を行った。松橋崇史実行委員長はあいさつで、慶応と明治の野球が参加して第1回サマーリーグが開かれてから10年で延べ2千人の学生がここでプレーし、社会に、プロ野球に羽ばたいたていったことを振り返り、地域や関係者に感謝した。

松橋実行委員長

今回も約30人の学生が大会運営に携わっており、「この10回を通過点としてますます大会が発展し、開催地の三条の地がより発展することを祈念する」と述べた。

サマーリーグがプロ野球への登竜門として発展してきた

上田泰成三条市副市長は、過去のサマーリーグ出場選手のなからプロ野球へ進んだ選手もあり、「サマーリーグがプロ野球への登竜門として発展してきた。選手は日ごろの努力をいかんなく発揮してほしい」と期待した。

パール金属・高波社長の始球式

立教と新潟の両校にスタジアムのネーミングライツを取得している株式会社パール金属（三条市）からディレクターチェアをプレゼントしたあと同社の高波文雄社長の始球式で試合を開始した。

大学野球サマーリーグは、2013年から当時、東京工科大学助教だった松橋実行委員長が、慶応大学大学院政策メディア研究科SCMチームとして同スタジアムでスポーツを通じたまちづくりの研究、調査を行ったのをきっかけに15年に始まった。

第10回大会を記念してバットの材料のアオダモの苗木を植樹

第10回記念してアオダモの苗木を植樹

大学1、2年生の野球部員に出場機会をという松橋実行委員長の働きかけで実現。それまで同スタジアムは大学野球とは無縁だったが、今では長野県の菅平高原がラグビー合宿の聖地となっているように、三条は大学野球育成の聖地となりつつある。

第10回の節目を記念して開会式を前に野球バットの材料に使われる「アオダモ」の苗木2本の植樹も行った。

3日目10日の早慶応援合戦は高校チアリーディングも加わってここでしか見られない応援合戦を展開

サマーリーグ×三条市立大学のコラボグッズ

今回も注目は10日午後3時から三条パール金属で行われる早慶戦での早慶応援合戦。両大学の応援団に中越高校と帝京長岡高校の県内2校のチアリーディング部が加わり、ここでしか見ることのできない応援合戦を繰り広げる。大学生の迫力ある応援はもちろん、高校生とのコラボによる相乗効果も体感できる。

サマーリーグ×三条市立大学のコラボグッズ、参加大学のグッズ販売も

昨年に続いてサマーリーグ×三条市立大学のコラボグッズも販売する。サマーリーグのロゴをデザインしたステンレス一重カップ（3,000円）、鉄アイス（600円）、バニラアイス（350円）、アイススプーン（500円）、さらに洋風せんべい「ハッピーターン」のサマーリーグ限定パッケージ（250円）も登場。廃材キーホルダー作り（1回250円）の体験ブースも用意して、燕三条のものづくりを発信。大学のグッズの販売もあるのは同窓生にはうれしい。

参加大学のグッズ販売も同窓にはうれしい

10日正午から新潟市白根球場で行われる第2試合後は障害者野球チームとの交流を行う。内部的には参加大学が三条市の文化や歴史を体験するエクスカーション、10日の三条パール金属スタジアムでの試合後、参加大学の交流会も計画されている。

• 大学野球サマーリーグ（新しいウィンドウで開く）