新潟県加茂市・田上町を拠点とする加茂青年会議所(西村太佑理事長・会員19人)は、8日開いた8月臨時総会で次年度理事長予定者に専務理事の丸山玄太郎さん(36)=田上町=を決めた。
丸山さんは慶応大学経済学部を卒業して2012年にメーカーズシャツ鎌倉株式会社(神奈川県鎌倉市)に入社。15年に家業のガラス繊維・カーボン繊維製造の株式会社丸勝(丸山勝朗社長)に入社した。丸山社長の長男で4代目になり、今は専務に就く。加茂青年会議所には20年に入会した。
加茂青年会議所は近年、会員が20人を切る厳しい状況が続き、運営も難しくなっている。理事長予定者に決まった丸山さんは「環境の変化もあり、この存続することに対してさまざまな課題があることも事実。そこに対して来年度は前例にとらわれず、存続するために、この会がより良い会であるために、なすべきことを実行していきたい」とあいさつし、課題解決のための会員からの意見、協力を求めた。
また、丸山さんは理事長予定者を推薦する過程では珍しく立候補し、名乗りを上げた。「私しかやる人がいないだろうという思いもあった」と丸山さん。これまで事業を行うために長い時間をかけてきたが、「今の時代、仕事もあり、家族もあり、さらに青年会議所があるという状況を考えると、変えてはいけないところは守ったうえで、より効率良く、生産性を高めたい」と、会員増を図るためにも、やりがいをもちながら負担を軽減させる時代に即した活動のありかたを考えていく。丸山さんの所信表明は次の通り。
丸山玄太郎さんの所信表明
(一社)加茂青年会議所は、加茂・田上地域における青年経済人の学び舎として、明るい豊かな社会の実現を目指し、この地域によりよい変化をもたらすために、運動を起こすことができる人材を輩出し続けてきました。これこそが、この地域に青年会議所が存在することの最大の価値であると私は考えます。しかし、会が存在するために欠かせない会員の数は長らく減少傾向にあり、ここ数年は 20人に満たない状態が続いています。創立60周年記念式典にて、地域と先輩諸氏へ感謝をお伝えするとともに、今後も困難に立ち向かい挑戦し続けることをお約束した私たち現役会員は、この地域の未来をよりよくするために、この素晴らしい組織を存続させるべく行動を起こさなければいけません。
近年は、新型コロナウィルス感染症の世界的流行に端を発する劇的な社会変化のように、これまでの常識が通用しなくなるほどの変化が次々と起こり、数年先の状態を予測することが困難になっています。そのような時代においても、力強く生き残る組織に共通する要素は、環境に応じて変化し続けられること、そして、社会に求められる存在であることだと私は考えます。我々はJCの使命と存在意義を再認識し、現在の環境や状況において持続的かつ生産性を最大化できる組織を作り、会員のみならず地域の青年経済人にとっても魅力的な会であり続けることが必要です。前例にとらわれずに、(一社)加茂青年会議所の理想の姿を求め、組織改革を実行します。
1990年代から課題とされてきた少子高齢化は着実に進み続け、年齢分布の歪みによる行政サービスやインフラ維持の問題がこの地域においても現実のものとなりつつあります。小・中学校の統廃合や部活の地域移行など、青少年育成の環境にも大きな変化が訪れようとしており、その過渡期において、こどもたちが不安なく健やかに成長できるのか、心配は尽きません。このような時こそ、我々は地域の課題とその当事者と真摯に向き合い調査研究した末に導き出される事業を実施し、青年会議所だからこそできる運動を起こしましょう。
私は2020年の入会以来、青年会議所に身を置き活動するなかで、その活動一つひとつが私に新たな経験を与え、地域の未来を想い、行動できる人間に育てていただきました。私はこの(一社)加茂青年会議所そが、この地域の未来を明るく豊かにするために必要な存在だと信じております。この会が、これから先いかなる社会の変化が起きようとも、この地域で求められる組織としてあり続ける起点となるべく、2025年度の理事長として会の最前に立ち行動することを誓い、理事長立候補の所信とさせていただきます。