新潟県の加茂市と田上町でで構成する消防衛生保育組合(管理者・藤田明美加茂市長)は、ごみ処理施設「清掃センター」の老朽化に伴って新設か近隣自治体に委託する広域化のいずれかで議論が進んできたが、19日開いた全員協議会で管理者側は、広域化して三条市とごみ処理委託の協議を進める方針を表明した。三条市の滝沢亮市長とは、三条市へごみ処理を委託する協議を進めていくことで了承を得ている。
清掃センターは1980年の建設から40年余りたち、老朽化が著しく、たびたび故障を繰り返している。2022年に藤田市長は新設を表明したが当初、約60億円と見積もった建設費は、物価高騰などで90億円まで膨らみ、中身の見えるごみ袋でのごみ出しのルール化で、ごみの処理量が減少したことなどを背景に、昨年8月の全員協議会で1年間の猶予を得て再考した。
その結果、三条市が将来的に加茂市、田上町のごみの全量を受け入れる余力の可能性があった。三条市に搬入するための収集経費や持ち込みごみに対応するための中間ストックヤードの設置など想定される経費を加えて試算した結果、三条市にごみ処理を委託した方が負担が軽く、財政的に最善と結論した。ごみ処理の方針や財政状況について、住民説明会を開催する予定であることなどを説明した。
藤田市長は、「ごみ処理の進むべき方向を示したことに加え、財政シミュレーションは加茂、田上の住民にとって安全・安心・生活・生命に直結するものであり、ごみ処理施設の新設、広域化にかかわらず一部事務組合事業の優先事項ととらえており、9月以降に順次、執行する」と述べた。
副管理者の田上町・佐野恒雄町長も同様の考えを述べたうえで「清掃センターの新設は私自身の政策としていたが、期待にそうことができず大変、申し訳なく感じているが、町の将来を考えた苦渋の決断であることを理解い ただきたい」と理解を求めた。
議員からは、新設の考えを排除しないでほしいという意見があったほか、三条市への委託についてスケジュール感など見通しについての質問があったが、これから協議を進めるため未定と答えた。