新潟県三条市の若手経営者を中心につくる異業種交流団体「三条エコノミークラブ」(岩瀬晶伍会長・会員52人)は8月31日、三条市と福島県只見町を結ぶ国道289号の交通不能区間「八十里越(はちじゅうりごえ)」の早期開通を願い、地域経済の発展、クラブのPRにもつなげようと「八十里越街道襷(たすき)リレー」を行い、滝沢亮市長を含め会員36人がたすきをつないで約35kmを走破した。
三条エコノミークラブは2つのグループに分かれて事業を立案、実行している。コロナ禍で会員の交流が減ったこともあり、ことしは交流を促進しようと、2つのグループを束ねて合同企画の8月例会に取り組むことにし、検討した結果、襷リレーを発案した。
八十里越は、早ければ2年後の秋の開通が見込まれる。今回は当初、三条市内の八十里越工事区間内の5号橋りょうから只見町側の住民が八十里越開通後の救急搬送先として期待する新潟県央基幹病院まで約38kmをリレーする計画だった。
しかし台風10号の接近で安全確保のため、工事区間内は走れないことに。直前になって工事区間手前の塩野渕地内の工事用ゲートからの出発に変更した。午前10時の出発から4時間20分後の午後2時20分ごろゴールした。
スポーツセンターはやぶさで開会式を行った。ことしの卒業会員の有志が、今後のイベントに使えるようにとオリジナルTシャツを用意した。会員全員がその青いTシャツを着て参加した。
「八十里越が開通して三条市が単なる通り道にならいように、しっかりと三条に立ち止まってもらい、三条で金を落としてもらって、観光してもらってというようなまちづくりを進めていきたい」と今回の取り組みに感謝し、会員にも協力を求めた。
その後、ゲート前に移動し、滝沢市長から岩瀬会長にオレンジ色のたすきをかけ、滝沢市長の号砲を合図に出発した。台風10号の影響はほとんどなく、途中で雨が降ることもあったが気温を下げてくれ、今の時期としては絶好のコンディションだった。
1人が約1kmを走るため、担当区間を走りきれるように事前に練習してひざを傷めたり、ヘルニアを出したりする会員もいれば、練習すると体をいためるからと、ぶっつけで参加した会員も。考え方は違っても、それぞれがしっかり走り切った。
ゴール地点の県央基幹病院では、会員全員が集まって出迎えた。最終ランナーの笹川英二次年度会長ら3人の会員が手をつないでゴールテープを切ると、大きな拍手で喜んだ。集合写真のあと、自然発生的に岩瀬会長、次いで笹川次年度会長の胴上げとなり、喜びを爆発させた。
最後に第1グループの久保匡平リーダーは「襷リレーは終わったが、三条市とエコノミークラブをつなげて地域経済の発展、そこはまだなので、今回のようすをPR動画にして、これから三条市にしっかりと恩返しさせていただく」とあいさつ。
第2グループの田中大夢リーダーは「エコノミーとしてこういう大きなイベントを会員全員でやるのは初めてなので、企画メンバーは戸惑いながら進めてきた。皆さまの協力がなければできなかった。今回の例会は皆さんのおかげとひしひしと感じている」と感謝した。
また、岩瀬会長は無事に終わったことを喜び、「基幹病院、三条市役所、国道事務所といろんな人にかかわってもらい、この企画できた。すべての人に感謝し、三条市と八十里越とわたしたちと、すべてのPRがつながればいい」とこれからの効果に期待していた。