新潟県燕市と弥彦村で組織する燕・弥彦総合事務組合(管理者・鈴木力燕市長)が運営する「環境センター」(燕市吉田吉栄)のごみ処理施設内の焼却炉1系統で5日、爆発事故が発生した。環境センターには2棟の建物に焼却炉が2系統ずつ、計4系あるが、ことし1月1日の能登半島地震で傾いた煙突の修理のため2系統が使えなくなっているうえに、今回の爆発でさらに1系統が使えなくなった。
環境センターには1984年竣工の建物のストーカ炉2基と、96年竣工の建物の流動床(りゅうどうしょう)炉2基がある。そのうち新しい96年に竣工した流動床炉の1系統で5日午前7時ごろ爆発事故が発生した。施設は破損したが、火災や人的被害はなかった。
爆発した1系統は、外観からは焼却炉に被害は見られないが、投入されたごみを破砕して焼却炉内に定量供給する給じん設備付近が大きく損傷した。金属板のつなぎめのボルトが吹き飛んで金属板が大きく曲がったり、配線がはずれたり、部品が壊れて落下したりした。
原因は調査中だが、ガスボンベなどの爆発ではこれほど大きな被害が出るとは考えにくく、焼却炉内で粉じん爆発が起きた可能性が高い。詳しい設備の破損状況は調査中で、復旧の時期のめどは立ってないが、汎用の部品は少ないと思われ、修理に時間がかりそうだ。
能登半島地震では、84年竣工のストーカ炉2基が兼用する煙突の上部が傾いたため、新しい煙突を製造して設置する修理を進めている。10月末の再稼働を見込んでいるが、それまでストーカ炉は2基とも使えず、残る流動床炉2基で焼却しきれないごみの焼却は、三条市と長岡市に委託している。
今回の爆発事故でさらに流動床炉1基が使えなくなったため、これからは最後に残った1基でしのぐしかない。さらに増える焼却しきれないごみの処理の委託の検討を迫られており、弱り目にたたり目。ただし、ごみの焼却は1系統で焼却作業を継続し実施しており、ごみ収集は通常どおり行うので、市民への直接的な影響はない。