タケノコの産地、新潟県田上町で竹林をあかりで彩るイベント「たがみバンブーブー」の14日開幕に向けて会場の設営が進んでいる。ことしは町内の田上小と羽生田小の初めて現地へ足を運んでデザインした美術家と一緒にタケを生かしたあんどん作りを手伝った。
昨年、両小学校の児童はそれぞれがタケをつなぎ合わせてバンブーチャイムを作り、メイン会場の「たがみバンブーブー竹林」に飾ってもらった。ことしはさらに踏み込み、会場へ出向いてあかりの装飾に携わることにした。制作したのは「まきまき竹あんどん」。「大地の芸術祭」に10年以上、かかわっている京都の美術家、高橋匡太さん(53)がデザインした。繊維メーカーから譲り受けた生地の切れ端の白いひも状のモールのような廃材を使う。
自然に立つタケがあんどんの柱。上から見て四角になる4本のタケに廃材をすき間なくぐるぐる巻き付けていくと、1辺が1メートル以上もある大きなあんどんができあがる。これを50個作り、なかにそれぞれ色違いのLEDを入れてともすが、すでにあかりのない状態でも美しい竹林のインスタレーションとして成立している。
小学生は手の届く高さのあんどんの制作を担当した。両校の4年生以上が学年ごとに制作に出向いた。9日はその最終日で、午前は羽生田小学校の4年生44人が会場を訪れ、楽しみながら作業に熱中した。
浅野哲司校長は「田上しかできない取り組みを子どもたちにいっぱいさせたいという地域の願いがある。学校としても田上だけの取り組みにできるだけ協力したい」と子どもたちと一緒に制作していた。
実行委員会の「道の駅たがみ」の馬場大輔駅長は「十何年か前に大地の芸術祭で高橋さんの『光の花畑』という作品を見て感動して、一緒に何かできたらいいなとずっと思ってて声をかけさせてもらった」と言い、念願がかなった。
高橋さんは「前から一緒にやりたいと思っていらっしゃったと連絡いただき、皆さんの熱意を感じて参加することに決めた」。作品は「みんなで作れるということを大事なコンセプトにした。小学生と一緒に作れ、自然の状態のタケを生かした」と言い、実際に田上へ足を運び、「本当に熱量がすごく、まちの人がみんなかかわってるのがすごいことだと思っている」と驚いている。
また、両校の3年生以下はそれぞれ田上のいいところを書いたタケ短冊を学校で作り、「道の駅 たがみ」のがんぎ下に飾る。