新潟県加茂市の書家、泉田佑子さん(47)の教え子でつくる「筆人(ふでびと)の会フレンズ」(野水隆会長)は14日(土)、15日(日)の2日間、三条東公民館(三条市興野1)で、泉田さんと書に親しむ仲間たちの展覧会「筆人の集い 2024 墨のチカラ・生命のリズム」を開く。
泉田さんは加茂市生まれで新潟大学教育学部書道科を卒業し、2000年に書家として活動を始めた。商品ラベルから企業理念まで暮らしのなかで生きる書芸術作品を生み出している。
教え子の小さな作品展は古くから開かれているが、2014年からは毎年、「筆人の集い」として三条東公民館を会場に開かれている。
今回は泉田さんの作品3点と教え子の人の12点の計15点を展示する。泉田さんの横が6.4メートルある大作「風が運ぶもの 2022」は、これを背景に写真を撮ってもらうフォトスポットにする。泉田さんは「幸福の風を受けて鑑賞するというより、どっぷりと作品と一体になって写真を撮ってほしい」と望んでいる。
「新潟の挑戦者たち」と書いた作品は、NHK新潟放送局の「ニュース610」でことし始まった同名の特集コーナーの題字のために制作した。
泉田さんを含め作品以外の展示物が多いのが特徴だ。生け花をはじめギター、フィギュア、オブジェ、さらには映像を流す人もいる。「作品を通して理解し、わかり合えたりできるのが展覧会の意義だと思う」と泉田さんは言い、それを体現している。
「自分がテーマにしているものと一緒にしつらえ、装飾することで共感できる。書は総合芸術でありコミュニケーションツール。自分を知ってもらってぐっち身近になる」とも。
コロナ禍の間も「筆人の集い」を休まず開催したが、内々で開いたが、今回はコロナ禍以来、初めて外部へも来場を呼びかけている。泉田さん自身も2019年にギリシャで書道パフォーマンスを開いて世界へ羽ばたこうと勇んでいた矢先に、コロナ禍で活動を大きく制限された。
今回の展覧会を泉田さんは「大笑いしてもいいし、にぎやかな展覧会になればいい」と言い、自身については「わたしもこれからまた世界を目指していきたい」と意気込む。開幕前夜の13日、泉田さんは筆人たちと一緒になって展示作業に励んでいた。
14日は午後1時半から2時半まで来場者と筆人の仲間たちの書制作ライブを行い、みんなで1枚の紙に寄せ書きのようにして「花」をテーマに作品を制作。15日は午後1時半から2時半まで泉田さんと筆人の仲間たちとのギャラリートークを行う。
また2日間とも参加無料で自由に1年後の自分や大切な人へのメッセージを和紙に書いてもらうワークショップを行う。おいしいコーヒーをいれて来場者を待つ。開場は14日は午前9時半から午後5時まで、15日は午後4時半まで。入場無料。