新潟県村上市に世界初の1年を通じてスノーボードハーフパイプを練習できる屋外施設「村上スノーリサーチ&トレーニングセンター」の竣工式が14日行われた。北京冬季五輪スノーボード男子ハーフパイプで金メダルに輝いた村上出身の平野歩夢選手と弟の海祝(かいしゅう)選手がトリックを披露した。
2019年にオープンした屋内スケートボード施設「村上市スケートパーク」に隣接して設置された。裏手の高台から延びる2本の助走路を滑ってエアマットに安全に着地できる。
雪上が基本のハーフパイプのエアをオフスノーで高精度に再現し、シーズンや天候に大きな影響を受けずにトレーニングができる世界初の施設。ハーフパイプのエアと同じ軌道でエアタイム3秒を確保できる。
村上市スケートパークとあわせて平野兄弟の父、英功さんが社長に就く「L・Sカンバニー」が運営する。当面は両選手が練習に利用し、2026年春をめどに利用者拡大を目指す。
竣工式で英功社長は、指導する子どもの心を傷つけないよう「新潟県医科学センターと連携して助走スピードや飛び出し角度など数値を共同研究して、エビデンスに基づいたデータや数値をベースにコーチングできるよう仕組みを整備していく」とあいさつした。
テープカットのあと両選手がエアを披露した。歩夢選手は最高難易度の北京冬季五輪で金メダルを決めた「フロントサイド ダブルコーク1440」や世界で初めて決めた「ダブルコーク1620」のトリックまで披露した。
歩夢選手は「次の五輪に向けて何か新しいことや世界にない新しい環境での練習ができないかとたくさんお父さんや家族、この現場の人たちと打ち合わせを重ねながら、ようやくこの日を皆さんの協力のなかで無事に迎えることができた」と喜んだ。
海祝さんは「言葉にできないぐらいうれしい気持ち。これからさらに2人そろって金メダル争いをできるぐらいにこの環境を生かして頑張っていきたい」と述べた。