新潟県燕市横田地区の横田切れ公園で地元の小学校4年生が埋めてから約束の10年になったタイムカプセルが16日、掘り出されて10年後の自分にあてた手紙が開封された。
1896年(明治29)に今の燕市横田地内で信濃川の堤防決壊に大洪水が発生したことにより大河津分水路建設の声が高まった。横田切れ公園は、横田切れの破堤地点に建設された。
2014年12月16日、北陸地方整備局信濃川下流河川事務所による横田地区低水護岸補修工事が行われるなか、横田切れや7.13水害などの災害の教訓を後生に伝え、将来の夢に向かって歩む子どもたちを応援しようと、工事関係者らが地元の島上小学校4年生1とタイムカプセルを埋めた。
タイムカプセルには「10年後の私へ」と題した4年生がそれぞれ将来の夢を書いた手紙ともに工事関係者のメッセージなどを入れ、10年後に掘り出すことにした。
それからことしで10年。当時の4年生19人は来年の燕市の「二十歳のつどい」の対象の19歳か20歳になった。開封式にはそのうち今も連絡を取り合っている5人が出席した。
タイムカプセルを埋めた場所に立てた看板の下を卒業生と工事業者で一緒にスコップで掘るとビニール袋に包まれたタイムカプセルが姿を現した。タイムカプセルは市内で製造されたもので、ステンレス製で直径30センチ、高さ60センチほどの円筒形。ふたを固定していた16本のボルトを外すと、中には手紙とともに漫画本、ミニカー、新聞などが詰まっていた。
どれもまったく汚れたり、変色したりしておらず、保存状態は良好。手紙には「パティシエの勉強を頑張っていますか?」、「お金もちになっていますか?」、「今までの習い事は役に立っていますか?」と質問形式で10年後の自分への思いをつづってあった。「まだ流れ星を見てないけど19歳になれて見れていますか?」という無邪気な願いもあった。
さすがに5人とも手紙に書いた内容は覚えていなかった。「結構、適当に書いてて、今も適当だし、成長してないんだな」と笑い、「めちゃ懐かしくて当時を思い出した気がする」、「夢とか全然、違うし、手紙を読んで見ておもしろかった」などと4年生の自分に戻っていた。
参加しなかった卒業生にもなんらかの方法で手紙を届ける。