弥彦産の大豆と小麦から生まれた「伊彌彦醤油」発売　弥彦の農業と観光の活性化への貢献も (2024.10.1)

「醤油（しょうゆ）の日」の10月1日、新潟県弥彦村で生産された大豆と小麦を100％使った丸大豆しょうゆ「伊彌彦（いやひこ）醤油」が発売された。ひとつの自治体で収穫した大豆と小麦だけで醸造されたしょうゆは県内で初めて。弥彦村の食材とかけあわせた商品化も視野に入れて弥彦村の農業と観光の活性化への貢献も目指している。

「伊彌彦醤油」を発売した株式会社伊彌彦の竹野勝行代表取締役

「伊彌彦醤油」を開発したのは、弥彦村内3つの農事法人が出資して2019年に設立した株式会社伊彌彦（竹野勝行代表取締役・弥彦村）。これまで「伊彌彦米パックごはん」を発売し、一般のパックご飯より割高ながら年に1万パック近くが売れる人気商品になっている。

一方で2016年に始まった村内での小麦の安定生産に伴い、弥彦産の小麦を生かした商品をと「伊彌彦醤油」の開発に取り組んだ。しょうゆの基本原料は大豆、小麦、食塩。醸造は山崎醸造株式会社（山?亮太郎代表取締役社長・小千谷市）に委託した。

「こいくち本醸造特級国産丸大豆しょうゆ」で香りは穏やかで味はまろやか

しょうゆの分類としては「こいくち本醸造特級国産丸大豆しょうゆ」。大豆を収穫して乾燥させたままの丸大豆を使ったしょうゆは、しょうゆ生産量の約18%と言われ、しかも国産。うまみ成分は最も高い「特級」で、香りは穏やかで味はまろやか、色は赤みがあって美しく、最高級のしょうゆに仕上がった。

試食会のようす

希望小売価格は税込みで200mL370円、500mL500円。まず「弥彦おもてなし広場」で1日から販売し、2日までには弥彦村内の宿泊施設の売り場、燕市の農産物直売所「ほのか」と「道の駅 国上」、新潟市西蒲区の「いわむろや」、「そら野テラス」で販売する。土産品の位置づけで一般の流通ルートでは販売しない。

ことしは小麦60t、大豆30tを収穫し、それぞれ10tずつを原材料に4万Lのしょうゆを醸造し、うち「伊彌彦醤油」は2万Lで、500mLサイズで4万本の換算になる。

伊彌彦醤油を使えばコラボレーションした商品が完成

1日は弥彦の丘サテライトオフィスに関係者を招いて試食会を開いた。「吉田屋特製伊彌彦醤油わっぱ飯」や「だし巻き玉子〜伊彌彦伊彌彦醤油を添えて〜」、「伊彌彦醤油香り華やぐ煮物」、「伊彌彦醤油イカメンチ」、「やひこじぇらーと伊彌彦醤油がけ」など、すぐに商品化できそうな試食メニュー10品が並んだ。

私欲した伊彌彦醤油を使った料理

今、使っているしょうゆに代えて伊彌彦醤油を使えばコラボレーションした商品をつくれるので、幅広い展開が期待できる。上質なしょうゆとあって参加者の評価は高かった。

竹野代表「可能性しかない」、本間村長「弥彦農業村民会議の後押しをしてくれ、支援したい」

竹野代表取締役は「伊彌彦醤油をきっかけに弥彦村の食材とかけあわせた観光目線での新たな商品開発を推進したい。従来の農業にとらわれないさまざまな取り組みを通じて弥彦村と農業と観光の活性化を目指したい」とあいさつした。

試食会後は、「できてくるまで不安だったが、食べてみて感極まるものもあったし、皆さん試食していただいてすごく喜んでくれたので、可能性しかないのかなと思う」と手応えを感じていた。

本間芳之村長は「昨年、立ち上げた弥彦農業村民会議が主体となり、村の特色である農業を観光のマッチングで産業の活性化や新たな特産を生み出そうと若者を中心に一生懸命、話し合いをスタートした。伊彌彦醤油はそのさきがけとして、その取り組みを後押ししてくれるものになるし、村らとしても支援していきたい」とあいさつし、ふるさと納税の返礼品にしようと準備を進めていることも話した。

試食後は「このしょうゆを作ってくれたことに敬意を表したいし、感謝の言葉でいっぱいで、このしょうゆが食卓に並ぶ日を待ち望んでいる。観光客にもぜひ味わっていただきたい。本当に香り高くおいしいしょうゆができてうれしい」とお墨付きを与えていた。問い合わせは株式会社伊彌彦（info@iyahiko.jp）へ。

• 伊彌彦醤油 公式サイト（新しいウィンドウで開く）