ことし7月に破産開始手続きを始め、事業譲渡先を模索していた新潟市西蒲区岩室地区で唯一の酒蔵、宝山酒造株式会社は、新会社を設立して事業を承継し、酒造りを再開できる見込みになったと3日、X(旧Twitter)に投稿した。
宝山酒造五代目蔵元渡邉桂太の名義で「宝山酒造株式会社の破産と新会社の設立」と題した文書の画像とともに「今までとこれからについてぜひご一読ください」と投稿した。
文書によると、破産手続きで力を借りた東京で「和食日和おさけと」(株式会社fermataが運営)を営む義兄が事業継承にも手を挙げ、新会社「たからやま醸造株式会社」を義兄の会社の子会社として設立。今までと同じ場所で酒造りを再開できる見込みとなった。
ネット販売、観光蔵を含め本格的な営業開始はもう少し先になるが、SNSなどを活用して情報発言をしていく。「宝山」の商標は継続し、屋号の「宝山酒造」の名前も残すことができた。
ご無沙汰しております。
— ワタナベ@たからやま醸造???? (@erk0304) October 3, 2024
今までとこれからについて
ぜひご一読ください???♂? pic.twitter.com/V8gIu1cyOh
「本社の住所が東京になりますが、今までと変わらず山と田んぼに囲まれた自然豊かな地で美味しいお酒を造って参りますし、名物女将にも引き続き頑張ってもらいますのでぜひ遊びに来てください」としている。
また、破産に至る経緯については、数年前からM&Aで支援を受けていた親会社との関係悪化が原因で、従業員と経営者家族を守るためのやむを得ない判断と、理解を求めている。
宝山酒造は1885年(明治18)の創業から約140年の老舗の酒蔵。自社ブランドの日本酒「宝山」を主体に甘酒やリキュールの製造販売も手がけていた。
名調子の解説を聞きなら酒造りの現場を見学して試飲もでき、観光蔵としても人気があった。