新潟県三条市内の54カ寺からなる三条市仏教会(牧野俊男会長)は、そのうち45歳以下の若手僧りょでつくる「三条宝輪会」(大渓太郎会長)の主管で14日(月・祝)午後3時から三条市中央公民館で第51回仏教文化講演会を開く。宮城県栗原市の臨床宗教師、曹洞宗普門寺の副住職、高橋悦堂さんを講師に「生死の際(しょうじのきわ)〜臨床宗教師と緩和ケア」のテーマで聴いてもらう。
高橋さんは1979年栗原市生まれ。東日本大震災時には僧侶として地元葬場での読経供養や避難所、仮設住宅などで傾聴活動に参加した。
そこで在宅緩和ケアの医師、岡部健(たけし)氏と出会い、がんを患う自身の最期を看取るようにと告げられ、岡部氏の家族とともに、その最期の日々に寄り添った。
岡部医師の思いを継いで始まった東北大学の臨床宗教師研修に参加。臨床宗教師として岡部医院を中心に在宅緩和ケア分野での看取りの場にかかわってきた。
現在は普門寺の副住職を務めながら東北大学の臨床宗教師養成の講座に指導者として参加している。
毎年恒例の仏教文化講演会。今回の仏教講演会の実行委員長、曹洞宗米泉寺の田村元隆副住職は、高橋副住職と駒沢大学の同期で、今も交流が続いている。「2014年にテレビで高橋さんの特集を見て、ずっと呼びたいと思っていた。実行委員長になった機会に講師をお願いした」。
臨床宗教師は、宗教の違いを超えて被災地や医療機関、福祉施設などの公共空間で心のケアを提供する宗教者。田村副住職は「高橋さんは曹洞宗の青年僧りょの研修の講師を務めたり、東北地方で福祉にかかわったりしている。亡くなる人に寄り添い、看取りを宗教者の立場としてどうかかわっていけるかといったことを聴いてみたい」と楽しみにしている。
入場無料で聴講したい人は直接、会場へ出向く。問い合わせは法輪会事務局(070-3195-9066)へ。