「FUNAI」ブランドの船井電機が破産手続き開始決定 負債461億円 (2024.10.24)

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前身企業は元東証一部上場で「FUNAI」ブランドの液晶テレビなどを製造する船井電機株式会社(大阪府大東市・資本金約313億円)は10月24日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債は現在調査中だが、2024年3月期末時点で約461億5900万円。

帝国データバンク大阪支社の調べでは、同社は船井電機・ホールディングス株式会社からから事業を承継することを目的に2023年2月に設立された。前身企業の船井電機は、1951年(昭和26)創業の船井軽機工業株式会社のトランジスタ部門を分離し、61年(昭和36)8月に設立された。

トランジスタラジオの製造販売を皮切りに、ホームステレオなどの音響機器、テレビやビデオなどの映像機器、プリンターやインターネット情報端末などの情報通言機器へと事業の幅を広げ、OEMメーカーとして北米市場をはじめとする海外を主体に事業を展開。米国の大手ディスカウントストアを主力顧客とするほか、国内大手の家習量販店には「FUNAI」ブランドの液晶テレビなどを独占的に販売していた。

99年2月に大証2部へ株式を上場し、翌年3月には東証1部と大証1部にも上場。DVDレコーダーを中心とするデジタル関連機器の販売が伸長した2005年3月期は、年売上高約3535億9200万円を計上した。

しかし、リーマン・ショック以降は、北米市場での販売不振が続いたうえ、中国のテレビメーカーの台頭による値下げ競争に巻き込まれ、売り上げが減少。液晶パネル価格の高騰も重なって営業赤字が常態化していた。さらに、米国やメキシコの子会社で不適切会計が発覚するなど、ガバナンス面にも問題が生じていた。

そうしたなか21年5月に株式会社秀和システムホールディングス(2022年4月に吸収合併)による株式の公開買い付けが成立し、同年8月26日付で上場廃止。23年3月には、別に100%出資により設立された同社が主要事業を承継していた。

その後、親会社が脱毛サロンチェーン運営会社を買収していたが、1年足らずで撤退。24年3月以降は同社も含めて役員の入れ替わりが相次ぎ、親会社では同年9月に代表者変更が生じるなど経営体制が混乱していた。

さらに10月に入り、脱毛サロンチャーン運営会社のネット広告代金の未払いについて、親会社が連帯保証を行っていたことを広告会社が明らかにしたことで、グループ全体に信用不安が拡大。立て直しの見通しが立たなくなり、今回の措置となった。


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