「越後のミケランジェロ」とも呼ばれる江戸時代末期に活躍した木彫の名工、石川雲蝶(うんちょう)(1814-83)の魅力を三条市から発信する三条雲蝶会(内山清会長・会員10人)は、23日(水)から27日(日)までの4日間、三条市歴史民俗産業史料館別館「ほまれあ」で「石川雲蝶 木彫 大パネル展」を開き、三条市内の本成寺とその塔頭(たっちゅう、石動神社に残る雲蝶の作品を撮影した写真パネルを中心に50点を展示している。
本成寺の塔頭は青蓮華院、本照院、久成院、静明院、蓮如院、それに石動神社にある破風飾りや欄間向背、向拝などの木彫や木彫像などを撮影した写真が並ぶ。雲蝶作品として最も有名な西福寺(魚沼市)の天井画と長岡市の秋葉三尺坊奥の院と貴渡神社で撮影した写真もある。
石動神社拝殿の左右の側面にある脇障子の大作「神功皇后」と「加藤清正」は圧巻。雲蝶の菩提寺の蓮如院の彫像「柿の実を持つ猿」、本成寺が火災で焼失したあとに子どもが本成寺に寄付した「赤牛」の写真もある。
また、写真ではないが、雲蝶が石動神社で制作するときに寝泊まりした棟りょうの松尾家に残した木彫「恵比寿・大黒天」も特別に展示している。訪れた人は写真とはいえ「これだけたくさんの雲蝶の作品を見たのは初めて。大したもんだ」と雲蝶の技術や業績に圧倒されていた。
昨年、三条市は雲蝶作品の写真を引き伸ばしてパネルにする事業を行った。写真は三条雲蝶会が選定した。そのパネルを展示しているもので、7月20日に開館した「ほまれあ」では初めての貸し館利用ともなっている。
毎日午前9時から午後5時まで、最終日27日は午後4時まで。入館無料。問い合わせは内山会長(090-4738-0402)へ。