19日から22日まで新潟県三条市で開かれた第20回三条市美術展(市展)で入賞作品のうち2点がそれぞれ自身の過去の入賞作品と酷似していることがわかり、三条市美術展運営委員会は2点とも入賞を取り消した。類似作品で入賞を取り消した例は関係者の記憶にない。
入賞が取り消しになったのは、写真部門の市展賞と洋画部門の優秀賞を受けた作品。いずれも過去に新潟日報美術振興賞を受けている。
市展最終日の22日に市展運営委員が過去の入賞作品と類似していることに気づき、翌23日に臨時で市展運営委員会を招集し、運営委員全員一致で2作品の入賞取り消しを決めた。19日の表彰式で出品者に贈った賞状と副賞は返却してもらった。
写真部門の作品は、過去の入賞作品と同じ写真を切り取る部分を変更してトリミングしたものだった。洋画部門は過去の入賞作員とは別の作品だったが、極めて類似していた。
市展の出品規定には「著作権・肖像権の問題や、盗作・類似作品などを含め問題が生じないよう留意ください」とある。今後は過去の入賞作品との類似性のチェックを徹底するとともに、出品規定の改訂も検討する。