株式会社コロナ(大桃満社長・本社:新潟県三条市)は、公益社団法人発明協会主催の令和6年度関東地方発明表彰で2つの発明が発明奨励賞を受賞した。今回の受賞で1989年(平成元年)以降の同社の地方発明表彰受賞件数は累計93件となった。
「室内熱交の結露洗浄性能を向上したエアコン」と「自然対流型オイルレス電気暖房機」が発明奨励賞を受賞した。
「室内熱交の結露洗浄性能を向上したエアコン」については、同社エアコンの一部機種が搭載する室内機の熱交換器の洗浄機能は、室内の空気中に含まれる水分を活用して熱交換器を結露させて洗浄する方式を採用している。
この発明は、冷房運転後はとくに室内の湿度が低く、熱交換器の洗浄に必要な水分が充分に得られないという課題に対して、洗浄運転の初期段階で室温が基準値に達するまで洗浄用暖房運転を行い、 室内の空気中の水分を増加させることによって、充分な水量で熱交換器の洗浄を可能にした。ルームエアコン「ReLaLa(リララ)」のZシリーズ「CSH-Z2824R」などに、「アクアドロップ洗浄」として搭載されている。
「自然対流型オイルレス電気暖房機」については、同社の自然対流型オイルレス暖房機「ノイルヒート」は、本体内のヒーター管に電気を通して発熱させ、その熱を利用して空気と対流させて部屋を暖める。
ヒーター管は両端にある端子から電気を通す仕組みだが、ヒーター管の熱を効率的に放熱し、 空気と対流させて暖房効率を高めるために、ヒーター管そのものや、ヒーター管の熱を放熱させる放熱部の配置に対する課題があった。
そこで、この発明はヒーター管をU字型にして、放熱部と一体化することで放熱ロスを無くし、ヒーター管の両端にある端子を同一方向に集約して上下に並べて配置することで、放熱によって空気が対流出来る面積を広く確保し、暖房効率を向上させた。
地方発明表彰は、各地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することを目的として1921年(大正10)に始まった。全国を8地方に分けて各地方で優秀な発明、考案、意匠を完成した人、発明等の実施化に尽力した人、発明などの指導、育成、奨励に貢献した人の功績を称え、顕彰している。