新潟県加茂市の紅葉で知られる加茂山公園の池の端で9日(土)、10日(日)の2日間、加茂山紅葉ライトアップが行われる。昨年の試験実施に続いてことしは本格開催。9日はライトアップに加えてハンドパン演奏と神楽舞も行われた。
池の端にある茶屋「椿(つばき)の家」の店主、中林園子さんが昨年、加茂山の紅葉を昼だけでなく夜も楽しんでほしいと、「椿の家」で販売実習している地元新潟経営大学の伊部ゼミの学生にも手伝ってもらって自前であかりを用意して行った。
試験的だったにもかかわらず大きく想像を超える反響があり、検討するまでもなくことしは本格的に開催することに。加茂市観光協会(会長・藤田明美加茂市長)が主催者になってくれた。
色づきはじめた池の端の周囲にあるモミジを照明で照らし、学生が作ってくれた大きな灯ろうや120個もの加茂市の花、ユキツバキをかたどった手作りのあかりを作り、ベンチなどに置いてLEDをともした。
2日間ともライトアップは午後6時から8時半まで。日中は晴れたが夜は手がかじかんで手袋がほしくなるくらいの冷え込みだった。それでも昼の紅葉狩りをはるかに上回る家族連れやカップルの見物客が訪れ、地元で紅葉ライトアップを味わっていた。
ことしの新たな趣向はイベント。9日はスイス生まれのスチールドラムに似た円盤のような形の新しい打楽器、ハンドパンを製造し、演奏者でもある燕市の時田清正さん(26)が池の端に架かる橋の上でソロで幻想的なサウンドを奏でた。
青海神社では、神事のあとライトアップされた神楽殿で榊(さかき)の舞と鳥形(とりがた)の舞を披露した。昼は見慣れた加茂山も夜は非日常な表情を見せる。祭りの神楽なら足を止める人も少ないが、祭りとは違うライトアップや白布に舞いの影が写るようにした趣向のおかげで幽玄な雰囲気となり、じっくりと鑑賞していた。
2日目10日は午後6時20分から池の端で三条市のカリンバ奏者、坂井真子さんが演奏を披露する。入場無料。