機械部品製造の株式会社河富(新潟県燕市下粟生津)は、11月25日に新潟地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債は2022年5月期末時点で約1億7000万円。
帝国データバンク新潟支店の調べでは、同社は1966年(昭和41)6月に法人改組された機械部品製造業者。創業は38年(昭和13)とされ、わら縄製造を軸としていたが、70年に鉄鋼製品の製造部門をスタートし、それを主業に転換した。
建設や農業機械メーカーなどを得意先として建設機械や除雪車、農業機械の金属部品の加工を手がけ、97年5月期には年売上高約3億6300万円を計上していた。
しかし近年は大口案件や得意先数の減少などを背景に1億円台の年売上高に低下。2022年5月期の年売上高は約1億2000万円にとどまって採算ラインをクリアできず、財務面は大幅な債務超過の状況が続いていた。
このようななか、23年2月、企業買収などにより東京都内などで複数の企業を経営する現代表が代表に就任。同社は同グループ企業の1社として展開していたが、現代表と旧経営上層部との連携が取れないなか、ことし6月には決算難に陥り対外信用が悪化。支えきれずに事業継続を断念した。