自動車整備業の有限会社増井オート(新潟県上越市)は11月27日に新潟地裁高田支部から破産手続き開始決定を受けた。負債は債権者45人に対して金融債務を中心に約4200万円の見込み。
帝国データバンク上越支店の調べでは、同社は1978年6月創業、84年7月に法人改組した自動車整備事業者。前代表時には自動車販売も行い、97年7月期には年収入高約1億9900万円を計上していた。
しかし前代表に後継者がないため、2019年3月に中古自動車販売業を営む株式会社J.フロンティア(上越市・24年11月破産手続き開始決定)が自動車整備の内製化しようと、増井オート代表がJ.フロンティアの株式を取得し、代表を兼務した。
J.フロンティアのグループ企業となってからグループ内の事業区分を明確にするため、事業は自動車整備だけとなり、21年7月期の年収入高は約4300万円にとどまり、収益面でも不採算となっていた。
24年7月期の年収入高は約4600万円、収益面では利益を計上していたが、J.フロンティアは商圏内での競合激化やコロナ禍の影響もあり、近年の収益性は低調に推移し債務超過に陥るなど厳しい資金繰りを余儀なくされていた。
J.フロンティアに対して貸付を行って資金繰りを支援していたが、J.フロンティアの倒産で貸付金の回収が不能になり、ことし10月31日に全従業員を解雇し、事業を停止していた。