プロ野球・東京ヤクルトスワローズとのコラボレーション事業を続ける新潟県燕市で15日、スワローズの吉村貢司郎選手(26)と高梨裕稔選手(33)の2投手を迎えてトークショーが行われた。
吉村選手は、東京都出身で2022年にドラフト1位でスワローズに入団。今季は東京ヤクルトスワ ローズに入団。独特なフォーム「振り子投法」で知られ、今季は9月以降に4連勝をあげ、チームの勝ち頭として活躍した。
高梨選手は千葉県出身。2013年のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズに指名され、16年には一軍初勝利をあげたが、18年にスワローズへ移籍。22年は自身最多年間勝利の7勝をあげている。
2人は前日14日も燕市で開かれた「つばめ野球クリニック」で市内少年野球チームを指導した。トークショーでは「お笑い集団NAMARA」の中静祐介さんをMCにプロフィール紹介から新潟とのかかわり、野球を始めた経緯、今季の振り返りや裏話などを話した。
2人ともユニホームを着て会場の後方から客席の通路を歩いて入場し、会場をわかせた。高梨投手はファームの試合で燕三条駅に降り立ったことがあり、吉村投手は小学校のときに新潟でわくわくして田植えを体験をしたことを話した。
前夜は市内の割烹で日本酒と料理をおいしく味わい、つばめ野球クリニックでは子どもたちにパワーをもらい、野球がうまかったと話した。
野球を始めたきっかけは、高梨選手は「サッカーが好きだったけど、仲のいい友だちに誘われた」、吉村選手は「両親ともバレーボールをやっていて、ぼくがなんで野球をやっているのかという感じだが、多分、父親の影響」。2人とも自発的に始めたわけではなかった。
高梨選手「身長が大きかったので何やっても誰にも負けないなと思っていたが、小4くらいで身長が止まってみんなに追い抜かれて野球もめちゃくちゃへただった。4年でおれの人生は終わったかなと思った」。
吉村選手は「小さいころからそんなに目立った選手じゃなかった。小5からやっててぼくよりうまい人もいて、身長も中途半端だし、大学でも目立った成績がなかった」、実績はあまりなくて「相当遅咲きだった」。2人とも子どものころは平凡な野球少年だったと話し、会場の野球少年も自分と照らしながら聴き入っていた。
トークショーには632人の参加申し込みがあり、会場はほぼ満席。遠くは山口県や福島県から訪れた人もいたが、燕市内と県外はわずかで、燕市以外の県内からの来場が9割ほどを占めた。
いちばん乗りは茨城県の30代の女性。前泊して午前4時半に会場の燕市文化会館を訪れた。吉村選手が出演するイベントなら全国どこへでも足を運ぶという熱心なファンで、ヤクルト戦を年間60試合ほど観戦し、ことしは吉村選手が登板した試合を16試合、観戦した。
投手としての吉村選手について「ちょっと前までは振り子のフォームだったんですけど、ことし途中で変えちゃったので。強い真っすぐとフォークボール」。人間的には「振る舞いとかもあるけど、ファンサービスがすごくいい人でとっても優しい人なんで。人柄っていうか、うそをつけないとこみたいな正直なところも魅力」と話し、帰りはどこでおいしいものを食べて行こうかと考えていた。