新潟県三条市下田地区で撮影された白いサルの写真をもらった。白猿は縁起がいいとされ、新年の祝いにもふさわしい。
昨年秋、下田地区にある秘湯で名高い「嵐渓荘(らんけいそう)」からもう少し奥で撮影したと言う。体毛が白いのは、さまざな生き物に現れる色素が欠乏する遺伝子疾患、アルビノによるものと思われる。
それにしても見事に白く美しい。雪の中では保護色になるだろうが、雪がなければ山中でこれほど目立つ色はない。
地元の人によると人里を離れて奥へ入った秘境、吉ヶ平あたりで白猿の目撃情報が多いが、これほどはっきりと写った写真は珍しいと言う。
下田地区では、人間よりサルの数の方が多いとこぼすほど年々、サルが増えている。サルによる農作物の食害は深刻で、電気さくなどで対策する農家も多い。
サルに食わせるために畑をやってるんじゃないと、地元農家にとっては農業をやめようかと思うほどの嫌われ者だが、白猿は縁起がいいとされる。
十二天のひとつ帝釈天(たいしゃくてん)の使い、山の神の使い、さらには幸運の白猿とも言われる。山形県米沢市ではめったに出会えない天然記念物「吾妻の白猿」に指定されている。
白猿はさておき、サルとどう対峙していくのかは下田地区の大きな課題だ。