新潟県燕市で6日、毎年恒例の燕市新春賀詞交歓会が開かれた。主催の燕市、燕商工会議所(田野隆夫会頭)、つばめ商工会(星野光治会長)などから200人近くが出席して新年の門出にあいさつを交わした。鈴木力市長のあとの田野会頭のあいさつ、来賓の菊田真紀子衆院議員と国定勇人衆院議員の祝辞の概要は次の通り。
■田野隆夫会頭
まずは鈴木市長が市民税を上げずに屋内こども遊戯施設を整備した手腕を評価した。経済界の課題として、激動する市場環境への適応や新しいビジネスモデルへの挑戦の重要性を強調した。
日本の賃金水準が欧米や東南アジアと比較して低いことを指摘。ユニクロなどの大企業が賃金引き上げを実施した事例を紹介し、企業や銀行の初任給引き上げが進む一方、長期的な賃金格差への懸念を示した。
インバウンド需要については、日本が物価と賃金の安さを背景に観光客をひきつけているが、日本国内の経済成長率が1%以下にとどまる現状と、国債発行に頼る財政運営への課題も指摘した。
一方で、積み立てNISAなどの長期分散型投資の普及に期待を寄せ、日本人の資産運用や退職金制度が諸外国に比べて遅れている現状を問題視した。
燕市は若者や女性の起業が活発で、とくにものづくり産業が地域を支えている点を評価。市職員や商工会議所が積極的に支援を行い、地域活性化に寄与していることを強調した。
「誰にも負けない努力」を求める稲盛和夫氏の言葉を引用。自由競争の中で努力することの重要性が訴え、挑戦し続ける商工会議所でありたいと思っている。
■菊田真紀子衆院議員
昨年は元日の能登半島地震で燕市でも被害が発生したが、鈴木市長や田野会頭の迅速な対応に感銘を受けた。地域の若者や女性がエネルギッシュにまちづくりに貢献している姿勢にも感動している。
昨年の総選挙で8期目の当選を果たしたことに感謝し、「今後も地域課題に向き合い、発展に尽力していく」と述べた。
国の税収は過去最大になっているが、地方や中小企業では依然として厳しい状況が続いている。ことしも国際関係や関税強化など、多くの変化が予想されるなか、日本や燕市にも影響が及ぶことが懸念される。
国会では、これまでの過半数頼みの政治が変わり、与野党が熟議を重ねて国民生活の向上につながる成果を出す必要がある。私たち野党も無責任な姿勢を改め、建設的な議論を進める覚悟だ。
■国定勇人衆院議員
昨年の燕三条地域の経済は厳しい状況にあり、物が動かないという課題が顕著だった。これを打開するには、安定した物価上昇やコスト削減が重要だ。
政府も物流のDX化や気候変動対策に注力しており、とくに燕市では鈴木市長の英断により、脱炭素先行地域の重点加速化対策事業に取り組んでもらうことになった。
電気料金削減を目指した先行投資が始まっている。各企業は、収益向上だけでなくコスト削減に目を向ける必要がある。
政府が提供する補助金や支援メニューを活用することで、持続可能な経営基盤の構築を支援していきたい。私自身、国土交通大臣政務官として皆さまの発展を全力で支援していく。
また、昨年の総選挙で自民党は厳しい審判を受けたが、それを謙虚に受け止め、国会運営を見直し、野党の意見にも耳を傾けながら、日本の発展のために努力していく。
とくに燕市や新潟の地域発展に全力を尽くし、皆様の期待に応えるべく行動していきたい。