12日、新潟県県央地域の5市町村でそろって1年の無災害を祈る消防出初め式が行われた。今の時期としては貴重な晴れ間が広がり、穏やかな消防行政のことしの門出となった。
三条市では、五十嵐川右岸での一斉放水を行う予定だったが、積雪があって困難なため中止し、三条市消防本部を拠点に消防車両と消防団の小型ポンプ車で市中パレード、総合訓練、式典、消防車両展示を行った。
総合訓練は消防本部の訓練塔を5階建てビルに見立て、高層建物火災を想定した要求乗車の搬送や消火を訓練した。放水しながらはしごや斜めロープブリッジ救助、はしご車などを駆使して逃げ遅れた要救助者を救出した。
さらに一斉放水を行って火災を鎮圧。複数の舞台が同時並行的に活動するダイナミックな訓練に見学に訪れた親子連れなど約300人は、「信じられない」、「かっこいいね」と目を丸くして見入っていた。
また、総合訓練の終わりに訓練塔から高さ10.7m、幅0.7mの「祝謹賀新年」とある巨大な横断幕を下げた。書が得意な職員が書いたもので、内部にも秘密のサプライズの演出だった。
式典の決意表明で三条市消防団の諸橋一徳団長は「今後も各種災害の発生が懸念されるなか、過去の忌まわしい災害から得た教訓を生かし、人の命を救う仕事に誇りをもち、防災、減災に有効かつ意義ある活動をする原点に立ち返り、再認識し、今後も消防職団員は互いに心と力を合わせて、市民の安全安心を最重要課題とし、消防の使命達成に邁進することを誓う」と述べた。
一方、燕市は燕市文化会館での出初め式で、式典と各種表彰、観閲、放水披露を行った。放水披露では燕市のランドマークの水道の塔を背に消防団が小型ポンプを操作して6本の水柱を上げて無災害の願いを込めた。