新潟県燕市の「道の駅 SORAIRO 国上」(林美樹駅長)裏手の酒呑童子神社駐車場で小正月行事の「国上塞の神(さいのかみ)」が行われた。好天に恵まれて主催者発表で約1万人が来場してにぎわった。
塞の神の火に五穀豊穣や無病息災を祈り、煙や燃えかすをかぶると風邪をひかない、書き初めを燃やして燃えかすが高く上がるほど書道の腕が上がるとも言われる。どんど焼きや左義長とも呼ばれる。
道の駅と地元長辰(ちょうしん)地区は毎年、協力して塞の神を行っており、ことしは18回目。ことしの塞の神は円すい型になるようにタケで枠を組み、わらをかぶせて中に古くなった正月用品などを詰めた。
ことしは塞の神の地面部分の直径をこれまでより1メートル大きくして5メートルに。高さは約13メートルにも達する県内最大規模だ。
事業所などが奉納した200本を超す和ろうそくの火が揺れるなか、国上寺の大久保役僧が祈とうしたあと、来賓や関係者でろうそくの火を移したわらの束を塞の神の中に投げ入れた。
塞の神は渦を巻くように煙が勢いよく立ち上り、たちまち火に包まれた。タケが爆発する大きな音が響き、火が収まり始めたところで遠で見物していた来場者が、先にするめを下げたタケの棒を手に出陣。塞の神の火で暖まりながら、するめを焼いた。
塞の神が始まる前もご当地ヒーローショーやマジックショー、津軽三味線、仏教太鼓などステージイベントが盛りだくさん。もちつき、凧揚げ、正月遊びなどのお楽しみもあり、大勢の来場者でにぎわった。
ただ、駐車場がパンク状態で道の駅の前の道路が渋滞。駐車をあきらめて帰る人も目立ち、燕市が進めている駐車場拡張の完成が待たれる。