「節分」の2日、新潟県三条市の法華宗陣門流総本山「本成寺」(鈴木日慧管長)で春を呼ぶ節分大祈願会の鬼踊りが行われた。翌日は春の始まり「立春」。春を呼ぶにふさわしい青空の下、境内は所願成就や事業繁栄の願いを込める善男善女でにぎわった。
午前11時から招待者、事業繁栄祈願申込者、除厄豆撒き事前申込者、午後2時から一般参拝者を対象に2回、本堂で行われ、本成寺鬼踊り奉賛会(小林敏文会長)が鬼踊りを披露した。
午前の回が始まった11時の三条市の気温は3.2度。明け方は−1.3度の氷点下に気温が下がる厳しい冷え込みだったが、晴れればそれだけで暖かく感じた。
鈴木管長を導師に読経が続くなか、4人の僧りょが木剣(ぼっけん)を打ち鳴らして邪気を払った。鈴木管長は「豆をまいたあと少しでも豆を残しておいて家に戻ったら家の中心から西南西の方角に鬼は外と言って豆をまき、1年たまった悪魔を追っ払っていただきたい」、「題目、南無妙法蓮華経によって道を開いていってほしい」とあいさつして鬼踊りが幕を開けた。
鬼踊りの説明のナレーションのあと、3人の僧兵がうちわ太鼓をたたいて「南無妙法蓮華経」と題目を唱えながら外から舞台に上がって口上を述べ、なぎなたを振って気勢を上げた。
踊りの最中から子どもを抱きかかえたりして大暴れしたところで、鈴木管長の「鬼は外!」を合図に参拝者はダイズの福豆を投げると、たまらず鬼は外へ退散して階段でぐったり。僧兵は本堂の前で「えい、えい、おー!」と勝ちどきを上げた。
鬼は境内を歩いて鐘楼堂で鐘をつき、鬼のつのが取れて改心し、人間に戻るというストーリーが完結だ。
鬼に抱かれた赤ちゃんは健康に育つという言い伝えもある。鬼が境内に出ると家族は「お願いします!」と鬼たちに赤ちゃんを差し出し、大泣きして「お母さーん!」と助けを求める子どもをパチリ。三条の風物詩を楽しんでいた。